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2015.10.14

【特集】CLOの“送客力”は本物か?~NTTデータ編~(2014年9・10月号)

CAFISの強み生かしたクーポン配信を展開
オーソリ起点に「Freshな情報をPush」


NTTデータは2014年11月から、スマートフォンユーザーの位置情報や、カード決済時のオーソリゼーション(オーソリ)等を起点にオファーを配信する「CAFIS Presh(キャフィス プレッシュ)」の提供を開始する。システム構築事業者が手がけるCLOは、カード会社を提供先とする形が多いが、同社のビジネスは加盟店が主な対象だ。クレジット決済ネットワーク「CAFIS」を運営するNTTデータは、カード業界では中立的な位置にあり、CLOでもその特性を生かしたサービスを展開していく。

 

「CAFIS Presh」のロゴマーク
「CAFIS Presh」のロゴマーク

 

プッシュ配信とCLOをリンク 来店前から退店までフォロー

NTT データ 第一金融事業本部  カード&ペイメント事業部 戦略・企画統括部 ビジネス企画 担当 課長代理 長谷川恵美氏
NTT データ
第一金融事業本部
カード&ペイメント事業部
戦略・企画統括部
ビジネス企画担当 課長代理
長谷川恵美氏

 「CAFIS Presh」のサービスは、大きく二つの機能を軸としている。一つは、スマートフォンユーザーの位置情報に応じた情報配信と定期的な配信、二つ目はカード決済時のオーソリをトリガーにして特定のカード会員に対し行われるリアルタイムのオファーだ。
 二つの機能を絡ませて、ユーザーの一連の購買行動をフォローする。来店前には、定期的な情報配信に加え、位置情報をキャッチしてクーポンを配信。購入時にカード決済が行われると、買い回りにつながる特典をリアルタイムで出す。退店時もグループの店舗や周辺施設のキャンペーン情報、クーポンの配信を行う。
 サービス開発の狙いについてNTTデータ 第一金融事業本部 カード&ペイメント事業部 戦略・企画統括部 ビジネス企画担当 課長代理・長谷川恵美氏は、「来店のきっかけ作りから、施設内の回遊、購入後のリピーター育成まで、一連の流れをフォローできる機能を前提に設計しました。全体でPDCA を回し、細部を修正していける点が強みです」と話す。
 顧客の行動をトレースするポイントは位置情報の検知だ。来店前はGPS、施設内ではWi-Fi、Beaconなど、導入先にある設備を有効利用し、場所とタイミングに応じて最適な情報をプッシュする。ちなみに、「Presh」は「freshな情報をpush」の意味を込めた造語だ。

 

大型加盟店がターゲット カード会社との連携も模索

 「CAFIS Presh」の導入先は、ショッピングセンター、大型商業施設、複数のテナントが入居する商業ビルやチェーン展開をしている小売など幅広く想定している。カードビジネスを形成するプレーヤーでは、カード会社とのアライアンスより、加盟店に比重を置いたビジネスだ。
 なお、加盟店に直接導入する際も、オーソリのデータを抽出してオファーを出す機能を生かす際は、カード会社の許諾を前提にしている。通常、オーソリは決済時の信用照会に使うものとされており、クーポンなどの販促はそれ以外の目的と考えられるからだ。こうした手続きを踏む上でも、カード会社と加盟店を結ぶ「CAFIS」を運用し、多くのカード会社との接点を持つ同社は、スムーズにビジネスを推進できる。
 カード会社とのアライアンスもあり得る。例えば、提携カードを発行するカード会社が、提携先に新たな販促ツールとして提示するケース。カード会社が会員向けに発行するスマートフォンアプリの一サービスとして、「CAFIS Presh」の機能を組み込むことも可能だ。すでにいくつかのカード会社とは、サービス展開の方法について話を始めているという。

 

会員属性はアプリで取得 基本形は「見せるクーポン」

 CLOの肝は、会員属性やカードの利用履歴を分析して、オファーを出す部分だ。カード会社との提携を前提としない「CAFIS Presh」の場合、属性や決済履歴の蓄積はない。オファーの起点とするのが、スマートフォンアプリだ。
 サービスの利用に際しては、アプリのインストール時に、クレジットカードの番号、性別、生年月日、居住地などを入力する。登録を済ませたユーザーに対しては、属性を元に情報を配信できる。さらにカードを登録した人には、カード決済時に施設内や近隣ショップへの送客につながる情報を、特典として配信していく。
 アプリは原則的に加盟店が用意するものとし、NTTデータは「CAFIS Presh」の機能を組み込むためのツールを提供する。すべての加盟店がアプリ開発の体力があるとは限らないため、「標準アプリ」も用意した。
 アプリの形式に関わらず、クーポンの利用時は店頭での提示が原則。画面上のボタンのタップや、暗証番号の入力などの方法で、店頭でクーポンを有効化する。店側には、スタッフへの教育と周知徹底の負担はかかるが、効果測定を優先するためだ。
 長谷川氏は、「システム上は、店舗側の操作なしでもクーポンを有効化できますから、クーポンを自動適用するような方法も対応可能です。ただ、これまでの経験から判断する限り、オペレーションの負荷はあっても、“このクーポンは使われる” という実感が大事。特定のクーポンが使われると、優良客であることが、その場で分かるといった効果もありますから、“見せる” を推奨していきます」と店頭開示の利点を指摘する。

「CAFIS Presh」のサービスイメージ。会員登録時に指定したクレジットカードで決済すると、施設内の他の店舗やフロアー、近隣のグループ店舗への送客につながる特典を、リアルタイムで配信する。
「CAFIS Presh」のサービスイメージ。会員登録時に指定したクレジットカードで決済すると、施設内の他の店舗やフロアー、近隣のグループ店舗への送客につながる特典を、リアルタイムで配信する。

 

導入時の負担低減は必須要件 将来は「動的情報」も積極利用

 NTTデータの収益モデルは、購買が成立したときに課金する成果報酬を基本としている。一部では予算化などの都合で固定費を望む声もあり、月額のメニューも設定して、フレキシブルに対応していくという。イニシャルコストはかからない。長谷川氏は、ここは特に重視すると話す。
 「店舗側は、“効果がよく見えない施策に対しては、お金はかけられない”という思いが強いはず。CLOのようなまだ実績に乏しいツールに対しても慎重です。スタート時の負担は極力減らさないと、CLO の成功は難しいと思っています」
 2014年秋からの本格展開に向け、すでに提案活動に入っているが、先行している他社とはターゲットが若干異なるため、競合部分は少ないようだ。「CAFIS Presh」のサービス形態は、カード決済を前提とするカード会社主体のCLOとは異質と言える。冒頭で触れた機能の二本柱「位置情報に応じたスマートフォンへの情報・特典の配信」と「オーソリと連動した特典配信」のうち、カードと直結するのは後者で、「CAFIS Presh」自体はカード決済を必須としない。
 「『CAFIS Presh』のエンドユーザーへのアプローチは、“カード番号を登録すると、もっといいことがある” ということです。サービス全体から見ると、オーソリと連動したリアルタイム配信がコアですが、加盟店に寄り添った発想をするなら、カードを持っていない人も対象にしたいはず。ここはシステム会社の強みを生かし、間口が広いサービスを構成します」
 将来像についても、大手システム会社の総合力を生かしたビジョンが聞けた。方向はオファーの精度向上だ。現在は、決済、属性、位置を元に配信するが、商品単位の購買情報や、位置以外の「動的情報」も加味していく。
 クレジット決済では、個別の商品情報は抽出できないため、POSデータなどを活用して買った商品を把握し、オファーに取り入れる。「動的情報」は、例えば、カメラ映像から連れの存在を推測し、人数に応じたクーポンを出す。そのときどきの天気、あるいはTwitterで情報量が急増したキーワードから、人が集まりそうなスポット、話題の商品、サービス分野を推測してオファーに反映させる。
 長谷川氏は、「天気に関する情報サービスやSNSの分析は、すでに当社も手がけています。こうしたリソースも活用し、多くのみなさんに受け入れていただけるサービスに育てていきます」と締めくくった。

 

(CardWave 2014年9・10月号掲載)

 

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