• HOME
  • News
  • 雑誌
  • 書籍・調査リポート
  • セミナー情報
  • 利用ガイド
  • 問い合わせ
  • MY PAGE
無料会員登録

サイト内検索

Now accepting PayPal

NEWS

一覧一覧

2015.10.21

【特集】「モバイルウォレット」で出来ること~NEC編~(2014年5・6月号)

 

電子マネーを軸にウォレットを構成
ハウス型にフォーカスし決済サービスを刷新


NECのモバイルウォレットへの取組みは、2013年3月に発表した「統合型電子マネーソリューション(以下:IEMS)」がベースになっている。IEMSは、特定企業内で利用するハウス型電子マネーの構築・運用に必要なシステムと技術を、ワンストップで提供するソリューション。同システムに含まれる「モバイルウォレット」は、汎用的な「ウォレット(サイフ)」と言うより、プリペイド機能を持つ個社のサービスアプリのイメージで、「モバイルウォレット」としてはユニークな存在と言える。

 

モバイルウォレットで活用するアプリ(スマートフォン)、NFCリーダライタ、非接触IC カード。
モバイルウォレットで活用するアプリ(スマートフォン)、NFCリーダライタ、非接触IC カード。

 

モバイルウォレットは電子マネーの1コンポーネント

 IEMSのシステムは、電子マネーのバリュー管理、ユーザー管理などを担う「電子マネーサーバ」、スマートフォン(スマホ)やカードなどを利用する「電子マネー媒体」、そして「決済端末」の3つで構成する。
 サーバ機能は主にクラウドでの提供だが、導入先のニーズによりオンプレミス(自社設備)にも対応。
 電子マネー媒体は、FeliCa/NFC仕様のスマホ端末に加え、ICタグ、磁気/ICカード、バーコードなどが選択できる。そして決済端末は、メディアに応じたハードウェアを適用する。
 IEMSは、どちらかと言えば海外市場に軸足を置いた電子マネーの製品群だ。国内ではサーバ、モバイル端末、カード媒体など、それぞれの分野にエキスパートが存在し、システム構築の経験を積んだ事業者も多い。一方、海外は電子マネーのインフラが整わない国も多く、ハード/ソフトを組み合わせてインテグレートすることは難しい。
 こうした環境においても、電子マネーの導入と運用に必要な要素を、ワンストップでサポートするパッケージがIEMSだ。そして「モバイルウォレット」は、この中の重要な1コンポーネントに位置づけられている。

 

NFC対応スマートフォンを「電子マネー媒体」に活用

NEC グローバルプロダクト・サービス本部 シニアマネージャー 小池雄一氏
NEC
グローバルプロダクト・サービス本部
シニアマネージャー
小池雄一氏

 「モバイルウォレット」に対する考え方について、NECグローバルプロダクト・サービス本部 シニアマネージャーの小池雄一氏はこう説明する。
 「前提として電子マネーのソリューションがあり、この中でカードの代替となるようなモバイルアプリを当社では『ウォレット』と称しています。過去には、複数のカードアプリを集約するようなソフトを手がけたこともありますが、現状の捉え方はモバイル端末に決済を実装する形です」
 前述したIEMSの構成要素では、「電子マネー媒体」の一形式だ。ウォレットアプリを「おサイフ」に見立て、ここにA社の決済アプリ、B社のクーポンを載せていくような「アグリゲーション(集約)型」ではない。

NEC グローバルプロダクト・サービス本部  エキスパート 塩野入匡宏氏
NEC
グローバルプロダクト・サービス本部
エキスパート
塩野入匡宏氏

 具体的には、「NFC対応端末」に決済機能を組み込む。NECグローバルプロダクト・サービス本部 エキスパートの塩野入匡宏氏が手にした端末の画面には、「ユーザー登録」や「残高照会」、チャージに使うクレジットカードを登録する「カード登録」、決済端末にかざす際に呼び出す「DEAL」などの項目が配置されていた。
 「ここに示したメニューは、どのウォレットにも入る基本要素。これらの要素を軸にして、ハウス型電子マネーを導入する企業の環境、使い方に合わせて、アプリを構成していきます」(塩野入氏)

 

NFC決済は「HCE」がベース バーコード表示の決済にも対応

 NFC対応端末で決済を行う際は、端末からIDを読み出す。アプリを起動してリーダライタにかざすと、端末ID がセンター側に送られ、電子マネー決済の一連の処理が行われるという流れだ。
 NFCサービスでは、通常はセキュアなアプリは、端末側に実装する暗号化に対応したチップ(SE:Secure Element)上で動作させるが、IEMSではセキュアな処理はセンター側で行う。端末のSEを使わなくとも、カードの動作を実行できるモードで、今で言う「HCE(Host-based Card Emulation)」の考え方だ。
 開発経緯について小池氏は、「とくに新興国では、NFCに対応するモバイルキャリアは稀です。またインドなどはキャリアの数が多く、仮にNFC対応を進めるとしても、個別に話をすることは難しい。こうした環境では、センター管理の方が構築しやすいため、IEMSの開発当初からこの方式を前提に進めてきました」と説明する。
 IEMSは海外市場が軸になることもあり、モバイルウォレットの形には、柔軟性を持たせてある。決済用インターフェースは、NFCに加えてバーコードにも対応。ユーザーIDとワンタイムのセキュリティコードがセットになったバーコードを画面に呼び出し、店舗スタッフがリーダーで読み取る形だ。会員情報や電子マネーのバリューはサーバで管理するため、端末からはIDを安全に読み取るだけでいい。
 この形式のモバイルウォレットが稼働している事例として、インド最大の映画館運営会社PVR Cinemas、国内ではユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が挙げられた。
 PVRは2013年2月に先行導入し、本格稼働は2013年4月。ウォレットのユーザーはクレジットカードや現金でチャージすると、映画館のチケット売場、施設内にある売店などで、電子マネーが利用でききる。
 USJでも同様のシステムが2013年3月に稼働した。ウォレットの決済インターフェースは、バーコード、NFC(ISO/IEC14443タイプA/B)、FeliCaに対応している。

統合型電子マネーソリューションの全体図。バリュー、会員情報はサーバ管理が基本。
統合型電子マネーソリューションの全体図。バリュー、会員情報はサーバ管理が基本。

 

個社の視点からサービスを強化 汎用サービス収容の方向も
 この分野におけるNECのビジネスは、導入先のサービスに合わせたモバイルアプリを構築し、そこに電子マネーの機能を組み込んでいく形だ。
 「進め方はケースバイケースですが、PVR様の場合は先方が制作した上映スケジュールや予告編などが見られる、映画ファン向けのモバイルアプリがすでにあり、当社からはそこに決済を追加するためのソフトウェアをご提供しました」(小池氏)
 USJのケースも、NECがすでに構築済みのUSJ公式アプリ上に、プリペイド決済を追加した形だ。トップ画面には、アトラクション案内、ショップ/レストランガイドなどが並び、ハウス電子型マネー「ワンダー・マネー」のアイコンも併設されている。もともとは同社の他部署が設計・構築したアプリに、決済機能を組み込んだという。
 上記2社以外も基本的にはこのスキームを踏襲しており、モバイルウォレットもハウス型電子マネーの一機能、モバイルアプリの機能強化策として推進していく。もちろん、この方法に固執するものではなく、技術の進歩と導入先のニーズには柔軟に呼応する。単に電子マネーのインターフェースを提供するだけでなく、もう少し多機能化する方向も考えているという。
 小池氏は今後の可能性について、「モバイルウォレットは、まず汎用的なプラットフォームがあって、ここにクレジットカードやポイントなどを入れる印象が強いと思います。当社はアプローチの角度が違い、まず導入先の視点で考えます。ハウス型電子マネーを稼働し、状況とニーズを見ながらクーポンなどのサービスを組み入れていく。将来的には、そこに汎用的な電子マネーやクレジットカード、共通ポイントなどが載るような形もあり得ると思います」
 本特集の他所でも触れているが、汎用型、アグリゲーション型のウォレットは、技術面、ビジネス上の制約から本格稼働は難しい。NECのような個社から切り込む形の方が、浸透しやすいと見ることもできる。
 NECでは大きな方向として、外食を含めた流通・小売り分野、もう一つはテーマパークや特定地域などのクローズドエリア、そして金融機関が自ら電子マネーを提供する際のバックエンドの3分野をターゲットに、IEMSの販売促進を続けていく意向だ。

 

(CardWave 2014年5・6月号掲載)

 

刊行情報

『かくして
 電子マネー革命は
 ソニーから楽天に
 引き継がれた』

電子マネービジネスの立役者でもある著者が、「楽天Edy」の誕生秘話と苦闘の歴史を綴った一冊。 購入ページへ

刊行情報

『電子決済総覧 
 2017-2018』

〈印刷版+デジタル版〉
※通常価格

カード決済市場レポートの決定版!

購入ページへ

刊行情報

『クレジットカード事業の歴史から検証するコア業務とリスクマネジメント』

業務の実践に必要な知識と情報を集約したカードビジネスの実務書 購入ページへ

定期購読

cardwave定期購読
詳細はこちらから