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2015.11.11

【特集】”2020年”へのカードインフラ整備~ユーシーカード編~(2014年11・12月号)

 

インバウンド事業拡大の重要ツール
多通貨決済サービス(DCC)で業界を先導


訪日外国人の数が急激な伸びを見せる中、クレジットカード会社がインバウンドの施策として期待を寄せるサービスの一つに、カード会員が決済する通貨を選択できる「多通貨決済サービス(DCC:Dynamic Currency Conversion)」がある。DCC 自体は、ヨーロッパなどの地域ですでに普及しているものの、国内の導入先は空港やホテルなど一部にとどまっている。ユーシーカードは国内におけるDCC の先駆者として、このサービスの本格展開を視野に、システムの整備とサポート体制の強化を加速している。

 

 

カード決済活性化のフックに ビジネスユーザーにも利点

ユーシーカード  事業開発部 事業開発課 マネージャー  倉岡武典氏
ユーシーカード
事業開発部 事業開発課
マネージャー
倉岡武典氏

 DCCは海外でカード決済を行った際、現地通貨とカードホルダーの自国通貨を選択できるサービス。
 通常、海外でカードショッピングをした場合は現地の通貨で決済された後、イシュア(カード発行会社)が国際ブランドの定めたレートに従ってカード発行国の通貨に換算し、為替手数料(マークアップフィー)を上載せする。そのため、カード会員にとっては、イシュアから明細書が届くまで最終的な支払金額が分からないという問題がある。
 これに対し、DCC利用時はカード決済の時点で会員の自国通貨での金額が確定し、現地通貨と自国通貨を選択できる(フローの詳細は後述)。自国通貨を選ぶ場合、為替レートの変動による差損や、手数料率に過度な不安を持たずに買物できる点がメリットだ。
 ユーシーカード 事業開発部 事業開発課 マネージャーの倉岡武典氏は、国内市場におけるDCCへの期待をこう話す。
「外国人客も多い加盟店では、特にアジア諸国の通貨だと桁数も異なるため、日本円の提示が感覚的に分かりにくいという悩みをお持ちです。さまざまな国からの渡航者が増えていく状況で、自国通貨での値段がその場で分かるDCCは、カードショッピングの活性化に直結するはずです」
 カード会員側にとってのメリットは、こうした安心感だけではない。例えば、海外出張でカードを使ったビジネスユーザーは帰国後、カード会社からの明細発行を待たずに自国通貨での経費精算ができるという利点がある。

 

収益構造を変えるDCC 為替手数料はアクワイアラに

ユーシーカード  事業開発部 事業開発課  國府田瑞穂氏
ユーシーカード
事業開発部 事業開発課
國府田瑞穂氏

 カード会社にとってのDCCは、決済スキームと収益構造を変える仕組みでもある。ユーシーカード 事業開発部 事業開発課の國府田氏が、決済の流れを説明する。
 「通常のカード決済では、カードを端末に通した時点で、まずオーソリ(信用照会)を行いますが、DCCでは、オーソリの前にアクワイアラ(加盟店管理会社)に為替レートを照会します。アクワイアラはカード番号からイシュアを調べ、該当する国の通貨とその日のレートなどから金額を算出し、現地通貨(円)と並べて会員に提示するのです」
 つまり、イシュアにカードの有効性などを照会する前に、アクワイアラが為替に関する処理を実行する。通常の決済では、為替手数料(マークアップフィー)はイシュアと国際ブランドが徴収するが、DCCによるカード発行国通貨決済に限ってはアクワイアラ等が得る形になる(注1)。手数料の収益はイシュアおよび国際ブランドから、アクワイアラとそのバックエンドで通貨の換算などを行うプロセッサへシフトするのだ。
 ビジネスの受益者は常に業界内で競争が働く領域だ。DCCと通常のスキーム間で、利便性と手数料で競うことになる。競合について倉岡氏は、「もし、当社のDCC手数料が高すぎれば、お客さんに選択していただけません。適切な料率が設定できるように、為替相場の動きや市場の平均値などを見て、日々更新しています」と話す。
 今のところ、同社のDCCが選ばれる比率は50%程度。「DCCの利用率が異常に高い店は、お客さんに選択の機会を与えていない可能性がありますし、極端に低い場合は店員の方に仕組みが周知されていないかもしれません。総合的に判断すると、50%の状況は健全な競争が働いている結果と見ています」(倉岡氏)

 

UC_DCC

 

対応通貨は30種類 店舗オペレーションも研く

 国内のDCC市場には数社が参入しているが、その中でもユーシーカードは2009年にサービスを開始したパイオニアだ。同社の強みは、対応する通貨の種類の多さ。他社の約2倍、30にも及ぶ通貨が扱え、日本を訪れる外国人客の98%以上をカバーする。
 対応端末は、クレジットと銀聯も利用でき、モバイル環境での使用も可能なキャッスルテクノロジー製「VEGA5000」と電子マネーを含む豊富なメニューを取り揃えたパナソニック製INFOX「ZEC-14」と「JTC16」。後者2機種は新たに12月から加わる。
 なお、対応通貨の多さと複数の機種を供給できる体制は、国内のカード会社としては唯一となる2社のプロセッサ(トラベレックスとNTT データ)との連携によって整備できたという。
 もう一つの強みは、加盟店サポートの体制。同じDCC加盟店でも、高級ブランド品と土産物では決済件数や単価は異なるが、加盟店手数料と同様、DCC手数料も店舗の特性に応じて設定するなど、柔軟に対応できるという。
 同社では、外国人の接客に不慣れな加盟店をサポートするツールも用意している。ボードに英語、韓国語、中国語、タイ語など主要言語でガイダンスを表記し、さまざまな国の人が来ても、DCCの内容を提示できるようにした。DCCでの決済時には、為替レートを照会した時点で、まず円価と自国通貨額、レートを記した「オファーレシート」を印字して渡す。

 

DCC 決済の対応端末 「ZEC-14」(左)「VEGA5000」(右)
DCC 決済の対応端末 「ZEC-14」(左)「VEGA5000」(右)

 

ECにも多通貨決済を DCCのゴールは「稼働」
 決済通貨を選択できるサービスは、リアル店舗だけでなくインターネットショッピング(EC)にも適用できる。
 ECでの外貨建て決済には、DCCの他にMCP(Multi Currency Pricing)がある。DCCとの違いは、加盟店があらかじめ価格を設定する点だ。
 DCCの場合、リアル店舗と同様、取引の発生時に外貨換算を行い、日本円と自国通貨額を併記して選択してもらう。自国通貨額は為替の動きに応じて変動するがMCPは固定。加盟店が決めた外貨建ての金額を表示しておく。
 商品性の違いについて國府田氏は、「MCPは為替レートの変動で差損が生じることもあり、このリスクは加盟店が持ちます。当社としては、加盟店の受取額が固定で、負担が生じることのないDCCを推奨しています」と話す。
 EC分野の動きについて倉岡氏が補足する。「最近はリアルと並行して、ECの営業にも力を入れていますが、海外ユーザーの拡大を狙っているサイトは、浮世絵のような日本古来の商品だけでなく、家電などの分野でも着実に増えつつあります」
 今後は、リアルとネットを問わず、インバウンド事業に力を入れる業種の開拓を加速していく意向だ。「DCC対応加盟店の数を拡大していくことは訪日客向けサービスの観点で勿論重要ですが、DCC導入をゴールとは考えていません。目標は加盟店と密に連携し、インバウンドビジネスを含めた加盟店様のあらゆるニーズに応え共に市場において成長していくことです。そうでなければ当社のビジネスは伸びませんし、加盟店の売上拡大に貢献できないからです」(倉岡氏)
 DCCはインバウンド事業の重要なツールであることは確かだが、加盟店に知識が浸透しているとは言えない。同社はアクワイアラとして加盟店に情報やノウハウの提供を行う一方、現状のシステムをさらに強化することで今後もさらにDCC市場の成長を先導していく意向だ。


 

注1) DCCに対応しているのはVisaとMasterCardで、JCB、American Expressなどは実施していない

 

(CardWave 2014年11・12月号掲載)

 

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