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2015.11.18

【特集】台頭するブランドプリペイド~NEO MONEY~(2014年1・2月号)

海外専用のブランドプリペイドカード
ATMからの現地通貨引出しが7割

 

クレディセゾンが2011年8月に発行を開始した「NEO MONEY(ネオ・マネー)」は、旅行、出張、留学などを想定した海外渡航者向けのVisaプリペイドカード。海外において、ATMからの現地通貨の引出しと、Visa加盟店でのショッピングに利用できる。同社は2011年5月に「資金移動業者」への登録を終え、第一弾の資金移動商品として「NEO MONEY」を開発した。国内ショッピングを目的としたプリペイドカードとは、生い立ちも商品特性も異なっている。

「NEO MONEY」の券面。既存のセゾンカードとの混同を避けるため、「カード」の呼称は使わず、クレディセゾンのロゴも券面には出していない。
「NEO MONEY」の券面。既存のセゾンカードとの混同を避けるため、「カード」の呼称は使わず、クレディセゾンのロゴも券面には出していない。

 

チャージは国内から日本円で 収益源は海外サービス手数料

クレディセゾン 営業企画部 商品・ サービス開発グループ 課長・吉中 慎氏
クレディセゾン
営業企画部 商品・
サービス開発グループ
課長・吉中 慎氏

 2010年4月に施行された資金決済に関する法律(資金決済法)により、それまで銀行しかできなかった為替取引が、1回につき100万円以下の制限のもと、新たに登録される「資金移動業者」にも認められた。「NEO MONEY」は、クレディセゾンが「資金移動業者」としてリリースした金融商品だ。
 Visaのネットワークを活用した海外専用カードで、200カ国以上の国と地域の200万台以上のVisa/Plus ATMからの現地通貨の引出しと、3,600万店のVisa加盟店での決済が可能だ。入金(チャージ)は国内から日本円で行う。チャージが可能なチャネルは、サービス開始当初は指定ATMだけだったが、現在は銀行振込、ネットバンキングからも入金できる。なお、現金が引き出せるプリペイドカードは、資金決済法上「資金移動業商品」とされている。
 入会金、年会費、口座管理手数料、チャージ手数料は、当初有料でスタートしたが、2012年5月以降はすべて無料に変更された。会員への課金は、海外サービス手数料(500円※)と、海外ATM手数料(1回あたり200円)のみ。料金改定の経緯について、クレディセゾン 営業企画部 商品・サービス開発グループ 課長の吉中 慎氏は、こう説明する。
 「海外専用のVisaプリペイドという新しい商品でもあり、発行開始当初は商品認知度が低く、普及には大変苦労しました。そこで、ご入会のハードルを下げるため、『口座管理維持手数料などで残高が減ることのない手数料体系』に変更しました。収益は海外サービス手数料で確保できますし、『シンプルな料金体系に』、という声に応えました」
 カードの入会資格は13歳以上。当初は16歳で線を引いていたが、最近では中学生の海外留学が増加傾向にあることから、それに対応させた格好だ。クレジットカードのような与信審査はないが、資金決済法の規制に基づき、パスポートなどの書類を用いた本人確認を行っている。

 

外貨両替のためのツール 狙いは現金市場の取込み

 「NEO MONEY」が利用されている主な分野は、旅行、出張、留学。いずれもターゲットは現金市場、外貨両替のニーズだ。
 このマーケットについて吉中氏は、「当初から狙っていたのは、海外渡航時の現金市場。日銀の調査によると、日本人は海外旅行での現地消費の半分以上を、現地通貨、つまり現金で支払っています。クレジットカードを中心に利用される方でも、空港からの交通機関の利用やチップなど、一定の現金はどうしても必要です」と話す。
 こうしたシーンで、空港やホテルなどに設置されたATMから外貨を引き出すツールとして「NEO MONEY」を推している。「NEO MONEY」の為替レートは、多くの通貨で日本の空港などの両替所より有利に設定されている。また、外貨両替は業者によってレートが異なるが、「NEO MONEY」は全世界一律のため、条件のいい両替所を探し回る必要もない。こうした優位性をアピールしてきた結果、外貨両替ニーズの取込みは順調に進んでいるという。
 「『NEO MONEY』の利用は、ATMからの現地通貨の引出しが全体の7割を占めています。クレジットカードの海外利用は9割以上がショッピングであることと比べると、明確な違いがあります。これは、『NEO MONEY』が外貨両替の手段として使われていることを示しており、狙い通り「現金」を代替している、と言えます。」(吉中氏)
 1人あたりの平均チャージ額は、当初は数万円程度と想定していたが、実際にはその2倍以上の10万円台に達している。中でも、留学目的の場合、日本の親からの仕送りに使われていることもあり、平均チャージ額は25万円と、一般的なプリペイドカードと比較してかなり高額。「海外渡航」という特殊性と、「使わなければ手数料は発生せず、維持管理費もない」という安心感から、ユーザーは多めに積む傾向があるようだ。

 

金融機関でも取扱いを開始 T/Cの代替ニーズを取り込み

 「NEO MONEY」の主な販売チャンネルには、セゾンカウンター、Webサイト、旅行代理店、留学エージェント、金融機関などがあり、現在はWeb経由の入会がもっとも多い。一方、2013年から急速に伸びてきたのが、留学を仲介するエージェントだという。特に留学が決まった後の説明会などでは、高い確率で成約に結びつくという。
 また、2013年に入ってからみずほ銀行をはじめとする金融機関との取次契約も進みつつあるという。多くの金融機関では外貨両替も扱っており競合もありそうだが、契約に至った経緯を吉中氏は、「外貨両替と『NEO MONEY』は商品特性が違います。金融機関で準備できる通貨の種類には限度がありますが、『NEO MONEY』なら、どこの国でも現地通貨が引き出せる。特に、複数の国を移動するときは、現金よりカードの方が便利です。こうした点をアピールした結果、金融機関に申込書を置いてもらえるようになりました」と話す。
 2013年10月にはAmericanExpressが国内でのトラベラーズチェック(T/C)の販売終了を発表したため、これまでT/Cを取り扱っていた金融機関において、代替商品としての需要も期待されている。
 なお、金融機関への導入を容易にするため、本人確認やマネーロンダリングなどのチェックについてはクレディセゾンの責任で行い、金融機関自身でこれらの業務を行う必要がないようにしている。このため、金融機関に設置する申込書では、「自行の取扱商品ではない」ことを明記し、金融機関側の紹介責任が問われないよう工夫しているそうだ。

 

法人向けカードも提供へ 国内決済利用への拡張は?

 これまでも、商品性の見直しが図られてきた「NEO MONEY」だが、吉中氏は「まだ、完成形ではない」という。今後の拡張の方向性として検討されているのが、「法人向け」と「国内展開」。
 まず、法人向け商品についてだが、クレジットカードにおける法人カード、コーポレートカードと同様、企業がクレディセゾンと契約し、従業員にカードを発行する形を想定している。チャージ資金は企業側から徴収する方式だ。
 「海外展開を行っている企業を中心にニーズがあるので、近いうちに商品ラインナップに追加したいと思っています」(吉中氏)
 もう一つの国内Visa加盟店でのショッピング対応についてだが、本商品の企画当時はブランドプリペイドを扱うための国内加盟店ルール整備が十分ではなかったこともあり、まず“海外” からスタートしたものの、国内展開は当初から視野に入れていた。
 吉中氏は、「例えば、法人向けクレジットカードの場合、企業側にとっては、カードに設定されている利用可能枠の範囲内なら従業員がどこでも使ってしまうというリスクがありますが、プリペイドならチャージした額までしか使えないので、企業側でチャージ対象者・金額・タイミングなどを自由にコントロールできます」と説明する。
 国内展開の方向と課題については、「ニーズの大きさは感じていますが、海外とは異なり国内では海外サービス手数料をいただくことができない一方、資金移動業としての厳格な態勢整備は引き続き求められるため、収益性は高いとはいえません。利便性と収益性のバランスをとりながら、商品設計を固めていく必要があると考えています」(吉中氏)としている。
 同じブランドプリペイドでも、「ココカラクラブカード」のような「誰でも気軽に使える」カードと、資金移動業に基づいて運用されるカードは性質が異なる。後者の国内展開は、もう少しアプローチやビジネスモデルを模索していくことになりそうだ。

 

 

※)海外ATM・ショッピング利用時に、Visaが定める当日時点の為替レートに5%を乗じたレートにより日本円に換算し、プリペイドカードの残高から引き落とす。

 

(CardWave 2014年1・2月号掲載)

 

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