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2015.12.16

【特集】”新世代決済サービス”の実力~ヤフー編~(2015年3・4月号)

 

シンプルが売りのオンライン決済ツール
「Yahoo!ウォレット」は今夏にもリアルへ拡充


ヤフーでは2014年4月から、Webサイトにクレジット決済機能を簡単に導入できるオンライン決済サービス「Yahoo!ウォレットFastPay」を公開している。同社はその前年の10月に「eコマース革命」の計画を発表し、「Yahoo!ショッピング」のストア出店料の無料化など、サービス強化と並行して料金面での見直しを進めてきた。「Yahoo!ウォレットFastPay」もこのコンセプトを踏襲し、低料金かつ導入から運用の負担を極力軽減したサービスとなっている。

 

 

「Yahoo!ウォレット」を軸に 時代のニーズに呼応する

ヤフー  金融決済事業推進本部 事業企画部 部長  黒原貴文氏
ヤフー
金融決済事業推進本部
事業企画部 部長
黒原貴文氏

 ヤフーが提供している「Yahoo!ウォレットFastPay」は、Webサイトを運営する事業者が自社のサーバプログラムに、数行のコードを追加するだけでオンラインでのクレジットカード決済が導入できるサービスだ。
 FastPayのベースとなっているのは、2002年に公開された「Yahoo!ウォレット」。Yahoo! JAPANに会員登録したユーザーがクレジットカード情報を登録すると、Yahoo!ショッピングだけでなく、外部のECサイトでも「Yahoo! JAPAN ID」とパスワードだけで、簡単に決済ができるサービスだ。すでに多くの外部加盟店を獲得しているが、開通までに3カ月前後かかる点がネックだった。
 「ECサイトを新規で立ち上げる事業者の多くは、売れるか売れないかを検証しながら、早いサイクルで廻しているので、決済機能の整備には時間と手間をかけたくないはず。この要請に応える必要があると考え、サービス開発を進めていました」(ヤフー 金融決済事業推進本部 事業企画部 部長 黒原貴文氏)
 同社がインスパイアされたのは、米国で同種のサービスを立ち上げていたStripe社の動きだったという。
 「Stripe社が提示した技術は、迅速、簡単というニーズを満たす優れたものでした。当社では需要が読みきれず発表に至りませんでしたが、成長を続けるStripeの方式と追従する事業者の状況を見て、FastPayの市場投入を早めたのです」(ヤフー 決済金融カンパニー 開発本部 テクノロジー推進 リーダー 山本啓介氏)

 

決済手数料以外は無料 課題の一つは加盟店管理

 リリース時、「業界最低水準」とされたFastPayの料金体系は、初期費用と月額費用、トランザクションフィーはすべて無料で、決済手数料が3.25%。振込サイクルは月1回プラン(月末締め翌月末払い)と月2回プラン(15日締め月末払い、月末締め翌月15日払い)があり、後者は手数料に0.1%加算し3.35%で運用している。振込手数料は加盟店には課していない。
 カード決済は、Visa、MasterCard、JCB、America Express、Diners Clubの5大ブランドに対応。ヤフーはVisaとMasterCardのブランドライセンスを取得しており、自らアクワイアラとなっている。
 FastPayの利用申請ができるのは、「Yahoo! JAPAN ID」の登録者。通常、1週間程度の加盟店審査を経て、カード決済機能をサイトに組み込めるようになる。サービスの性質上、申請者の多くは、カード決済の運用経験が少ない中小企業や個人事業主だ。

 

設計思想は“シンプル” 継続課金の機能も充実

ヤフー  決済金融カンパニー開発本部  テクノロジー推進リーダー  山本啓介氏
ヤフー
決済金融カンパニー開発本部
テクノロジー推進リーダー
山本啓介氏

 FastPayが備える他社サービスにない特長として、開発を担当した山本氏は「シンプル」というキーワードを何度か口にした。
 「一つは、エンジニアから見て直感的に分かるインターフェースを備え、導入が容易な点です。価格面では、取扱額によって決済手数料が上下したり、トランザクションフィーが発生したりすることはなく、面倒な計算が不要。分かりやすさとシンプルさは、サービスを拡大するための必須要件だと思っています」
 2014年夏には、「継続課金」にも対応している。月次で発生する料金などの決済に利用される継続課金は通常、初回決済時のみオーソリ(与信照会)と売上処理が行われ、以後は売上処理のみが走るというスキーム。最近は、月謝や定期講読といった用途に加え、例えば月額3,000円で月代わりのアクセサリーをレンタル・販売するような新しいサービスも人気を呼んでおり、優先課題として開発し機能も充実させたという。
 FastPayの導入サイトでは、課金サイクルを「毎月」や「3カ月ごと」、課金のタイミングを「月末」「買い物をした日」など、柔軟にカスタマイズできる。他社のサービスは継続課金に対応していても、加盟店側が課金の手順にあわせて継続処理のプログラムを組んで廻す必要があるが、FastPayはいくつかの項目を指定するだけで、後の処理はすべて自動化される。

 

Web サイトに組み込むコードのサンプル。現在はcURLとPHPが利用可能。Ruby とPythonは今後対応予定。
Web サイトに組み込むコードのサンプル。現在はcURLとPHPが利用可能。Ruby とPythonは
今後対応予定。

 

Yahoo! ウォレットFastPay の加盟店に提供される管理画面。ダッシュボード、決済履歴、課金プラン設定などのメニューが利用できる。
Yahoo! ウォレットFastPay の加盟店に提供される管理画面。ダッシュボード、決済履歴、課金
プラン設定などのメニューが利用できる。

 

FastPayで足場を固め リアルでもサービス展開

 ヤフーでは、イシュアとして「Yahoo! JAPANカード」を発行し、「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」など、複数の決済関連サービスを持つ。そしてそれらを安全に、効率的に使うツールとして、「Yahoo!ウォレット」や「Yahoo!ウォレットFastPay」を用意している。特に新しいFastPayの場合、グループの決済ビジネスをサポートする1ツールで、3.25~3.35%の決済手数料だけで収益を上げるという意識は薄いように思える。
 この点を黒原氏に尋ねると、「内部ではもちろん、単体で収益を上げる目標はありますが、優先事項は目先の利益算出より加盟店の拡大。まずは足元を固めることです」という答えが返ってきた。
 足場を整備した後は、Yahoo!ウォレットのリアル展開を目指したいという。クレジットカードや電子マネーのように、ネットとリアルを含め、いろいろな場で使える決済ツールの実現だ。
 「国もキャッシュレス化を進めていますが、われわれはその一翼を担いたいと思っています。グループとしては、クレジットカードは『Yahoo!JAPANカード』を持っていただき、『Yahoo!ウォレット』に登録してもらう。この流れはもちろん推進しますが、ウォレットには、現金中心の人たちを取り込むという目標があるのです」(黒原氏)
 具体的な形は非公開だが、アウトラインは「EC決済の仕組みをベースに、リアルでも使えるサービス」だという。一例として、タクシー料金を「Yahoo!ウォレット」で支払える日本交通のスマートフォンアプリが挙げられた。同アプリの利用時は事前にネットで決済するが、利用者の感覚はリアル決済に近い。
 リアルでも使えるウォレットを普及させるには、インターネット上のYahoo! JAPANを常用しているユーザーだけでなく、それ以外の人たちにも、「Yahoo!ウォレット」のブランドを周知していく必要がある。
 「今はその前段階で、まずネットのさらなる強化。FastPayでリアルへの“発射台”を作っています」と語る黒原氏。“点火”はそれほど先の話ではなさそうだ。

 

(CardWave 2015年3・4月号掲載)

 

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