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2015.12.22

【特集】”新世代決済サービス”の実力~LINE編~(2015年3・4月号)

 

「LINE」が送金と決済の機能を装備
‶国民的アプリ”が狙う新ビジネスの全貌は?


LINEが提供するコミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」は、国内における累計の登録者数が5,800万に達した(2015年2月)。2014年12月には、ユーザー間での送金やネットショッピングなどの決済ができる「LINE Pay」をリリース。LINEに加わった送金・決済機能は、ユーザビリティの向上と同時に、LINEが運営する多様なビジネスを強化する重要なツールとして機能している。

 

 

使い慣れたアプリから決済 送金は本人確認が必須

 LINEが提供する「LINE Pay」は、スマートフォンアプリ「LINE」を通じて、ユーザー間での送金や、提携サービス/店舗における決済を行うことができるモバイル送金・決済サービス。運用面は、LINEの子会社であるLINE Payが担っている。
 開発コンセプトは、親しい人同士のコミュニケーションの延長としての送金、そして使い慣れたスマートフォンアプリから、いつでも手軽に取引ができる決済環境の実現だ。
 サービスの利用時は、まずLINE Payの利用登録を行い、専用のパスワードを設定する。登録が済んで、チャージ(入金)を行うかクレジットカードを登録すると、送金や決済ができるようになる。チャージの方法は、銀行口座からの振替、コンビニ決済、ペイジーの三種類。
 登録後にまず利用できる機能は、チャージ残高(上限10万円)かクレジットカードを使う決済だ。ここは「LINE Cash」と定義されていて、LINE Payでの本人確認は不要。LINE上の友人への送金や、銀行口座から引出すときは本人確認が必須で(銀行口座と連動する「口座振替受付サービス」を設定するか証明書類を送付)、この部分は「LINE Money」と呼ばれる。
 つまり、本人確認の手続きを行うことで、チャージしたバリューが「LINE Cash」から「LINE Money」に転換され、送金や銀行からの出金ができるようになる。送金時は相手の口座番号などは不要だ。送金手数料はかからないが、銀行から引き出すときは216円(税込)の課金が発生する。なお、クレジットカードは決済に限られ、チャージや送金、引出しには使えない。

 

「送金」の利用手順。送り手はLINE Pay への登録と本人確認の手続きが必要。「割り勘」の場合は、受け手を選択して合計金額を入力すると、均等に割られた金額の送金依頼が送られる。
「送金」の利用手順。送り手はLINE Pay への登録と本人確認の手続きが必要。「割り勘」の場合
は、受け手を選択して合計金額を入力すると、均等に割られた金額の送金依頼が送られる。

 

 

LINE Pay の機能イメージ。ユーザーはクレジットカードか事前にチャージした電子マネーの残高を使って、LINE の各種サービス、提携加盟店における決済ができる。
LINE Pay の機能イメージ。ユーザーはクレジットカードか事前にチャージした電子マネーの残高
を使って、LINE の各種サービス、提携加盟店における決済ができる。

 

狙いはLINE全体の機能強化 当面の収益モデルは決済か

LINE Pay  久保 渓氏
LINE Pay
久保 渓氏

 LINE Payを投入した狙いについて、LINE Payの久保 渓氏はこう話す。
 「当社としては、決済単独で収益を最大化していくつもりはありません。もちろん企業として収益性は無視できませんが、LINEで運営されている各種サービスの機能向上と、より便利に使ってもらうための環境整備を重視しています」
 目先の収益に固執しない点は、ユーザーに出金以外の手数料を課さないモデルにも表れている。その一方、数千万のユーザーを対象にしたセキュアなサービスを運用するには、システム投資をはじめ、決済・送金を行うための事業免許(「前払式支払手段(第三者型)発行者」「資金移動業者」)の取得も必要で、継続的に一定の収益を確保するモデルがなければ難しい。
 当面のビジネスとしては、提携店舗からの手数料収入が挙げられる。決済手数料は、導入から2年間は月額の決済額が100万円以下は無料、超過分は物販が3.45%、デジタルコンテンツは5.5%に設定されている。トランザクションフィーはかからない。
 LINE Payの決済には、使い慣れたアプリとID、パスワードだけで、ショップごとにカード情報を入力せずに決済できるという利点がある。ここは同種のサービスを提供する他社と共通するが、LINE Payの圧倒的なアドバンテージは、LINEの国内5,800万の登録者だ。
 「ECサイトが対応することで、新たな購買機会の創出につながる」。各社が訴求するこのフレーズがもっとも加盟店に響くのは、やはりLINE Payだろう。

 

加盟店網は急速に拡大 「利用者補償制度」で保護

 LINE Payを取り入れる加盟店は、大手ECサイトを中心に急速に拡がってきた。グループのサービスでは、LINEアプリからタクシーの配車を依頼してキャッシュレスで決済できる「LINE TAXI」がある。2015年1月に東京都でスタートし、2月末には22の都道府県に拡大した。LINEアプリから高級弁当などを注文できるフードデリバリーサービス「LINE WOW」も、近いうちにLINE Payで決済できるようになる。
 外部の店舗では今年3月に、国内最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」、エンターテイメント系サイト「HMV ONLINE」、レストランの情報提供・予約サービス「ポケットコンシェルジュ」などのサイトや店舗専用のスマートフォンアプリが対応を済ませた。3月下旬には「FOREVER 21」や「GROUPON」なども加わり、4月までの約1カ月間、LINE Payを使うと割引やキャッシュバックが受けられるキャンペーンを実施。同時期にテレビCMも放映されている。
 加盟店網とユーザー層の拡大と並行して、セキュリティと利用者保護の強化も進めている。昨年に問題化したLINEアカウントの「乗っ取り」は、パスワードを使い回すユーザーが狙われたもので、その時点でのシステム的な対処は難しかったという。
 「当然ですが、アカウント盗用に対してもできる限りの対策は行い、結果として鎮静化しました。お金を扱うLINE Payには、システム面のさらなる強化とユーザーの意識向上が求められますので、送金などお金を動かすときは必ず専用パスワードが必要な設定にして、敷居を高くしてあります」(久保氏)
 蓄積した決済データなどを検証し、不自然な取引があればアラートを出す「不正検知システム」も稼働させ、日常の送金・決済の動きを監視している。2015年2月からは「利用者補償制度」も導入し、ユーザー側に重度の過失がない限り、LINE Pay上で発生した損失に対して補償できるようにした。 

 

ウェブペイの力も結集 “LINE経済圏”の確立へ

 LINEは2015年2月、LINE Payを通じたウェブペイ・ホールディングスの買収を発表した。ウェブペイは、Webサイトのプログラムに簡単なコードを追加するだけで、クレジットカード決済の機能を追加できるサービスを提供している。LINE Payとウェブペイの関係について久保氏は、「ウェブペイの一番の強みは、技術が分かり、決済業界が分かり、加盟店のニーズをよく理解している点。決済サービスは、コンシューマーだけでなくマーチャントにも大きな価値を提供していく必要があるので、コンシューマーに強いLINE、技術と決済業界での実績が豊富なウェブペイの組合せはベストマッチと言えます」と説明する。
 ウェブペイのリソースを生かし、決済技術の強化と加盟店獲得を加速する一方、LINE Payでは新たなサービス開発を推進していく。
 「グループには多種多様なサービスがあり、LINE Payが“ハブ”として機能する。B2Cはもちろん、広告などのB2Bでも、LINEのサービス上でお金が動くシーンでは、ATMや銀行振込を介さずにLINE Payがすべて担う。LINEユーザーにとって、これが便利で快適な環境のはずです」(久保氏)
 LINE Payのサービス拡張に合わせて、日常生活においてLINEの世界を出ずに決済できるシーンも拡がっていく。LINEは大きな経済圏の確立に向け、確実な一歩を踏み出したようだ。

 

(CardWave 2015年3・4月号掲載)

 

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