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2016.01.07

【特集】多様化するプリペイド決済の今~Square編~(2015年7・8月号)

ハウス型プリペイドカードの概念を刷新
破格のコストで“スモールスタート”も支援

 

スマートフォン決済サービス(mPOS) を提供するSquareは、2014年11月に米国でサーバ管理型のプリペイドカード「Squareギフトカード」をサービスメニューに加えた。日本国内では2015年春に首都圏の12のコーヒー専門店に先行導入され、本格展開に向けた準備が進められている。ハウス型プリペイドカードの導入には、既存のサービスは数十万円以上の初期費用、加えて月額の固定費もかかるが、同カードはカードの製造費用だけで運用できる画期的なサービスだ。

 

「Square」の導入店舗は追加設備はいっさい不要

Square  プロダクトマーケティングマネージャー 掛谷悟史氏
Square
プロダクトマーケティングマネージャー
掛谷悟史氏

 Squareが開発した「Squareギフトカード」は、スマートフォンやタブレット端末と小型のカードリーダを組み合わせて、クレジットカード決済が行える無償のPOSレジアプリ「Squareレジ」の導入店舗を対象にしたサービスだ。
 「Square」の加盟店では、日常のカード決済に使っているスマートデバイスとカードリーダ、インターネット回線以外に、新たな機器やソフトウェアを追加する必要はない。既存のハウス型プリペイドカードには「システムを導入」するという表現が合うとすれば、「Squareギフトカード」は、カードを「店舗の商品として追加」するイメージに近い。
 カードの特徴についてSquareプロダクトマーケティングマネージャーの掛谷悟史氏は、「われわれの決済サービスをご利用の店舗は中小事業者が中心ですから、初期費用だけで数十万~100万円もかかると言われる既存サービスの導入は難しいケースがほとんど。国内で先行導入したコーヒー専門店の中には、10枚つづりの紙製チケットを使っているところもあったのですが、この延長で実践できるような仕組みを低コストで提供し、ビジネスを支援したいという発想でスタートしました」と話す。
 加盟店に必要なイニシャルコストはカード代だけで、2014年にスタートした米国では1枚1.5ドル前後。国内で本格展開する際は、最小ロットを200~300枚、カードの費用はロットによっても異なるが、200円程度~を想定しているという。

 

Web上でデザイン指定 最短2週間でスタンバイ

 加盟店がカードを導入する手順は、まず専用サイトからカードの発注を行う。カードのタイプは、バリューをサーバで管理する磁気式のリチャージ型で、「クイック」と「カスタム」の二種類があり、「クイック」はWeb上にあるテンプレートから券面のデザインを選んで、社名やカード名などを入力するだけでいい。「カスタム」はイラストレーターなどで作成したデザインをアップロードすることで、ブランドロゴやキャラクターなどオリジナルのデザインをカードに反映できる。納品に要する時間は2~3週間だ。
 システム側で登録が済むと、「Squareレジ」の管理画面に「ギフトカード」というアイテムが加わる。これで準備は完了であとはカードが届けばサービスインできる。
 チャージは店頭で行い、クレジットカードだけでなく現金も受け付ける。カードからチャージする場合は、「Square」のカードリーダを使った通常のクレジット決済と同様、加盟店には3.25%の手数料がかかる。
 「決済手数料はわれわれの収益源ですから、純粋にビジネスとして見れば、クレジットに限定した方が儲かるかもしれません。しかし、現実には現金で支払うお客様も多い中で、利用者や使い方を限定し、使い勝手が悪くなっては本末転倒。クレジットを使わない人も視野に入れ、この方法を選択しました」(掛谷氏)

「Square ギフトカード」の第一弾として発表されたコーヒーショップのギフトカード。 独自のロゴや写真などを使った自由なデザインが可能。
「Square ギフトカード」の第一弾として発表されたコーヒーショップのギフトカード。
独自のロゴや写真などを使った自由なデザインが可能。

 

“チラシ”の発想で使う マーケティングも実践

 「Squareギフトカード」は、店舗側で任意にチャージ額に対するボーナス分を設定できるなど運用の自由度が高く、さまざまな角度から販促に活用できる。
 まず、ノベルティとして新規顧客の獲得を狙うアプローチが考えられる。例えば、展示会やイベント会場で100円分をチャージしたカードを配付して来店を促す。来てくれた人に対しては、“3,000円のチャージで3,300円分が使えます”といったディスカウント施策を打ってリピータに育てていくといった具合だ。
 「カードが1枚1,000円の単位では、チラシのように使うという発想は出てきません。われわれのカードは300枚配ったとしても、中小の店舗でもトライしやすい数万円のレベルです。毎月の広告費に5万円、10万円と使っている方々は、ギフトカードを使ったプロモーションも試していただきたいと思います」(掛谷氏)
 広告は効果測定が難しい。決済システムとPOSレジアプリと連動するカードなら、その日の利用回数、カードの売上高、チャージ金額などの数値を追いながら、効果を検証できるというメリットもある。
 先行している米国では、すでにマーケティングにも活用されて効果を上げているという。その一つは、カードの利用履歴に応じて特典を出すCLO(Card Linked Offer)である「カスタマーエンゲージメント機能」だ。過去に30ドルの決済記録がありながら来店が途絶えている客に対しては、“次回の来店時は3ドルオフ”といったオファーを出す。「Square」を使ったクレジット決済では、入力してもらったメールアドレスにレシートを送信できるが、ギフトカードの利用時も1度アドレスを取得しておけば、メッセージの配信が可能だ。
 「オファーの配信はほんのさわりで、より高度な技術を用いた集客が行われています。米国で実践されている優れた手法を日本向けにアレンジし、採り入れていくのもわれわれのミッションです」(掛谷氏)

 

“実費提供”の意義は? プリペイド市場も激変か

 「Square」のカードリーダは実質無料、決済手数料は3.25%と安価に設定され、高度な売上管理・分析機能を備えた「Squareレジ」も追加費用はかからない。そして今回のギフトカードも、カード代金、言わば“実費”を負担すれば誰でも使えるサービスだ。
 「Squareギフトカード」のビジネスモデルについて掛谷氏は、「Squareのコアビジネスはクレジットカード決済です。ギフトカードは収益を出すためのサービスではなく、基本的にはSquare自体のコア領域を増やすために機能すればいい。さらに米国で展開しているようなマーケティング系も含め、メインターゲットである中小事業者を総合的に支援できるサービスとして、大きな視野をもって展開していきます」と話す。
 国内における先行導入先は、既存加盟店や見込み客に対してSquareギフトカードの機能と効果を分かりやすく提示するため、あえて業種を絞ったが、本格展開に向けては、さまざまな業種・業態における活用法を模索していく。
 「スマートフォンやタブレットも、提供側が想定した用途以外にさまざまなビジネスシーンで使われています。ギフトカードも同じで、プラットフォームを提供するわれわれよりも、現場のビジネスに精通したユーザーの皆さんからユニークなアイデアが出てくると期待しています」(掛谷氏)
 2014年に約5,800億円に達したハウス型プリペイドの市場は、2017年には1兆円に伸びるとの予測も出ている。ただし、こうした数字は大企業をターゲットとする既存のサービスを前提にしたもので、個人商店が数万円で実践できる「Squareギフトカード」のような新しいスキームは想定されていない。「Square」が日本のクレジット決済市場に大きなインパクトを与えているように、2年後は「Squareギフトカード」も急成長し、プリペイドカード市場の勢力図が変わっている可能性もありそうだ。

 

 

(CardWave 2015年7・8月号掲載)

 

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