• HOME
  • News
  • 雑誌
  • 書籍・調査リポート
  • セミナー情報
  • 利用ガイド
  • 問い合わせ
  • MY PAGE
無料会員登録

サイト内検索

Now accepting PayPal

NEWS

一覧一覧

2016.01.13

【特集】多様化するプリペイド決済の今~メタップス編~(2015年7・8月号)

年率1%で“増える電子マネー”登場
“SPIKE経済圏”でバリューの流通図る

 

メタップスは2015年6月から、プリペイド電子マネー「SPIKE(スパイク)コイン」を運用している。同社は“決済手数料ゼロ円” のカード決済サービス「SPIKE」を開発し、日本のクレジットカード業界に新風を入れた、データ分析や決済サービスなどを手がけるベンチャー企業。「SPIKEコイン」も、「保有していると年間1%の割合で増える」など、既存のプリペイド決済とは異なるユニークな仕組みを持つサービスとなっている。

 

利用環境は専用のECサイト 「売上金」を使った購入も

 メタップスが開発した「SPIKEコイン」は、誰でも購入できるプリペイド式の電子マネー。
 「SPIKEコイン」が使える場所は、今のところは同社が運営するECサイトの「SPIKEマーケット」に限られる。
 コインの種類は「SPIKEふえるコイン」と「SPIKEボーナスコイン」の二種類。前者は専用サイトから1コイン=1円相当で購入できるコインで、後者が「SPIKEマーケット」での買い物などに応じて付与される。
 「SPIKEふえるコイン」の特徴はその名の通り、保有額に対して年に1%の割合で増えるという点だ。通常、プリペイドサービスは、「口座維持手数料」などの名目で時間の経過と共に減ることはあっても、増えることはない。預金金利のようなイメージだが、プリペイドの新たなスキームとして注目を集めそうだ。
 購入方法は、SPIKEのアカウントを取得した後、サイトで「銀行振込で購入」か「売上金から購入」を選ぶ。個人ユーザーは銀行振込に限られるが、カード決済サービスの「SPIKE決済」を利用している事業者は、サービスを通じて得た売上金を使った購入もできる。
 一方、「SPIKEボーナスコイン」は、「SPIKEマーケット」での買い物などに応じて付与される。「SPIKEふえるコイン」に対する1%の還元分も、ここに加算されていく(「ボーナスコイン」自体に対する還元はない)。
 「SPIKEコイン」は、一つの“財布”に「ふえるコイン」と「ボーナスコイン」という二つのポケットがあるようなイメージで、「SPIKEコイン」としての残高は両方を合算して表示される。ただし、ユーザーは決済時に個々のコインの違いを意識する必要はなく、「SPIKEコイン」で買い物をした際は「ボーナスコイン」から先に減算されるようになっている。ユーザーの立場に立てば、当然ながら増える方のバリューを残しておきたいからだ。
 なお、購入した「SPIKEコイン」は資金決済法の“前払式支払い手段”に該当するため、現金で出金することはできない。コインの有効期限はないが、現在の利用規約では、「最終利用時から3年以上経過している場合は、運用者がコインの残高を失効できる」とされている。

 

“クラウド時代の銀行” 電子マネーは必須のツール

メタップス  プロダクト統括部 SPIKE事業開発チーム  部長 荻原充彦氏
メタップス
プロダクト統括部
SPIKE事業開発チーム
部長 荻原充彦氏

 「SPIKEコイン」は、「SPIKE決済」と「SPIKEマーケット」を含む、SPIKE事業の1プロダクトセグメントとして運用されている。
 「SPIKE決済」はECサイトの任意の場所に数行のプログラムを追加するだけで、クレジットカード決済の機能が組み込めるオンライン決済代行サービス。月間の決済額が100万円までは、月額費用や決済手数料が無料という斬新なモデルだ。
 「SPIKEマーケット」は、中小企業や個人事業主を主な対象にしたECサイトで、「Amazonギフト券」や各種クーポン、オフィス用品など、ビジネスに必要なアイテムを揃えている。商品によって割引や最大10%の「SPIKEコイン」の付与があり、購入機会が増えるほど、特典が得られるようになっている。
 今回、新たに「SPIKEコイン」を立ち上げた経緯について、メタップス プロダクト統括部 SPIKE事業開発チーム 部長の荻原充彦氏は、「『SPIKE決済』はもともと、中小事業者のビジネス環境を金融のテクノロジーで整備するという発想でスタートしています。大きな言い方をすれば、“クラウド時代の銀行業務”。この発想を伸ばしていくと、中小事業者のビジネスに役立つマーケット、そしてそこで使うお金をプールしたり、お得に使えたりする電子マネーの仕組みは必須だったのです」と話している。

 

1%特典の原資は販促費 バリューチェーンの評価を

 「SPIKEコイン」のビジネスモデルは、電子マネー単体での手数料収入や会員の囲い込みを狙ったものではなく、マーケットプレイスの活性化が前提にある。
 「SPIKE決済」を使うEC事業者の売上は、まずメタップスの口座にプールされ、事業者からの申請に応じて指定口座に振り込まれる。EC事業者がサイトで入金や残高照会をする際には、年間1%増える「SPIKEコイン」の魅力と、ノベルティとして人気が高い「Amazonギフト券」や日常業務に必要な品々を特典付きで買える「SPIKEマーケット」をアピール。購入が成立した時点で、マーケットを運営するメタップスには、出店者からの販売手数料収入が発生する。つまり「SPIKEコイン」は、自社のマーケットを活性化するツールであり、1%還元の原資は「販促費」として位置付けられている。
 「『SPIKE決済』にも無料枠がありますが、ビジネスプレミアムとしてフィーをいただく部分もあります。『SPIKEコイン』に付ける1%も、ここだけを見ると持ち出しですが、仕入れ・集客・決済など事業者のバリューチェーン全体の中で見れば、ビジネスとして十分成り立つというのがわれわれの考えです」(荻原氏)
 大手の流通やEC事業者は、発行したポイントを自社のチェーンで使ってもらう仕組みを作り、ポイント原資の外部への流出を防いでいる。SPIKEの事業モデルも自社の“経済圏”を形成するという意味では、これに近いと言えるだろう。

 

「SPIKE コイン」のビジネスモデル。「SPIKE 決済」と「SPIKE マーケット」と連動するバリューチェーンを形成する。
「SPIKE コイン」のビジネスモデル。「SPIKE 決済」と「SPIKE マーケット」と連動するバリュー
チェーンを形成する。

 

“円に近い価値”目指す 第一歩は外部への開放

メタップス  プロダクト統括部 SPIKE 事業開発チーム オペレーションディレクター スミコ フローレス氏
メタップス
プロダクト統括部
SPIKE 事業開発チーム
オペレーションディレクター
スミコ フローレス氏

 メタップスでは「SPIKE決済」や「SPIKEマーケット」と連動する「SPIKEコイン」はB2B寄りの視点で設計されているが、メタップスでは今後、個人ユーザーも重視して、より汎用性の高い電子マネーに育てていく意向だ。
 そのためには、現在「SPIKEマーケット」に限られている利用環境の拡大が欠かせない。第一歩は「SPIKE決済」への適用だ。導入サイトにおける決済手段として、できるだけ早い時期に「SPIKEコイン」が使えるようにする意向だ。また、その先の展開として、より広い範囲で使えるようにしていく想定だという。
 「例えば、『SPIKEコイン』を手元のスマートフォンで自動的に交通系の電子マネーに転換して駅の改札を通る。こんな活用ができれば素敵だと思います」(メタップス プロダクト統括部 SPIKE事業開発チーム オペレーションディレクター スミコ フローレス氏)
 こうしたオープン化を進めると、制度上は自社のシステムで完結する「自家型前払式支払手段」ではなく、第三者の店舗でも使用できる「第三者型前払式支払手段」に該当するため、事業運営に伴う審査や運用の負担は重くなる。事業の拡大に伴ってプリペイドサービスの運用に必要な供託金の額も増え、システムにも大きな負荷がかかってくるだろう。
 当然ながら同社では、ハードルのその先にあるビジョンを見据え、機能強化とサービス開発、SPIKE事業の認知度向上に尽力している。
 「“円”にはなれないが、どれだけ“円”の価値に近づけるかを考えています。例えば、家賃や公共料金の支払い、企業では給与や福利厚生のような用途にも適用できるようにしたい。今は制度上難しいですが、『現金1万円の給付』と『SPIKEコインを1万1,000コイン』なら、後者を歓迎する人もいると思います」(荻原氏)
 SPIKEのサービスを利用できるアカウント数は約10万件。同社では、サービス開始から約1年半でこのレベルに達している。決済系のサービスは立ち上げに最大級のパワーを必要とし、初期の情勢がその後の成否を左右するケースも多い。順調な滑り出しを示したSPIKE事業は、ユニークなモデルとポテンシャルが評価されたと言えるだろう。当面のミッションとして、更なるアカウントの獲得、そして「SPIKE決済」加盟店への「SPIKEコイン」の開放を挙げている。

 

 

(CardWave 2015年7・8月号掲載)

 

line

>>関連記事

【特集】 FinTechが示す決済ビジネスの可能性~Liquid編~(2015年11・12月号)

CCW~CardWave2015年11・12月号掲載(1/2)

CCW~CardWave2015年11・12月号掲載(2/2)

CCW~CardWave2015年9・10月号掲載(1/2)

CCW~CardWave2015年7・8月号掲載(1/2)

CCW~CardWave2015年7・8月号掲載(2/2)

Pick up Topics~ジェーシービー編~(2015年11・12月号)

CCW~CardWave2015年5・6月号掲載(2/2)

Pick up Topics~ジェーシービー~(2015年5・6月号)

【特集】多様化するプリペイド決済の今~モスフードサービス編~(2015年7・8月号)

【特集】多様化するプリペイド決済の今~三菱UFJニコス編~(2015年7・8月号)

【特集】多様化するプリペイド決済の今~アプラス編~(2015年7・8月号)

【特集】多様化するプリペイド決済の今~ソフトバンク・ペイメント・サービス編~(2015年7・8月号)

【特集】多様化するプリペイド決済の今~Square編~(2015年7・8月号)

CCW~CardWave2015年3・4月号掲載(2/2)

【特集】台頭するブランドプリペイド~バニラVisa オンライン~(2014年1・2月号)

【特集】台頭するブランドプリペイド~NEO MONEY~(2014年1・2月号)

【特集】”2020年”へのカードインフラ整備~ジェーシービー編~(2014年11・12月号)

CCW~CardWave2015年1・2月号掲載(1/2)

【特集】「モバイルウォレット」で出来ること~ジェーシービー編~(2014年5・6月号)

【特集】「モバイルウォレット」で出来ること~NEC編~(2014年5・6月号)

【特集】台頭するブランドプリペイド~V プリカ~(2014年1・2月号)

【特集】台頭するブランドプリペイド~e- さいふ~(2014年1・2月号)

【特集】台頭するブランドプリペイド~ココカラクラブカード~(2014年1・2月号)

【特集】台頭するブランドプリペイド~ドコモ口座 Visa プリペイド~(2014年1・2月号)

【特集】「モバイルウォレット」で出来ること~大日本印刷編~(2014年5・6月号)

【特集】ブランドデビット普及のカギ~三菱東京UFJ銀行編~(2014年3・4月号)


line

古い記事

新しい記事

刊行情報

『かくして
 電子マネー革命は
 ソニーから楽天に
 引き継がれた』

電子マネービジネスの立役者でもある著者が、「楽天Edy」の誕生秘話と苦闘の歴史を綴った一冊。 購入ページへ

刊行情報

『電子決済総覧 
 2017-2018』

〈印刷版+デジタル版〉
※通常価格

カード決済市場レポートの決定版!

購入ページへ

刊行情報

『クレジットカード事業の歴史から検証するコア業務とリスクマネジメント』

業務の実践に必要な知識と情報を集約したカードビジネスの実務書 購入ページへ

定期購読

cardwave定期購読
詳細はこちらから