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2016.02.17

【特集】 ビッグデータの使い方~三井住友カード編~(2015年9・10月号)

加盟店管理をビッグデータ分析で刷新
ネット上の“つぶやき”や“評判”も察知

 

三井住友カードは、NTTデータ、日本総合研究所と協力して、ビッグデータの分析技術を使ったクレジットカード加盟店管理システムを開発し、2014年10月から新規の加盟審査と既存加盟店の途上管理に活用している。同社がアクワイアラ(加盟店管理会社)として蓄積してきたノウハウに、インターネット上に散在する情報を効率的に収集・分析する新しいアーキテクチャーを加えることで、加盟店管理業務の大幅な合理化を図っているのが特徴だ。

 

 

新システムの中軸は「非構造化データ」の処理

三井住友カード  システム企画部 兼  インフラ企画部  シニアスタッフ 中村恭大氏
三井住友カード
システム企画部 兼
インフラ企画部
シニアスタッフ 中村恭大氏

 三井住友カードが運用している加盟店管理システムは、ECやスマートフォン決済などの進展によって、決済環境が拡がり続ける中で、多種多様な加盟店を効率的に管理していくために開発されたもの。新しい管理システムは、それまで審査担当者が手作業で確認していたインターネット上の情報を、独自のアーキテクチャーによって自動的に収集・分析し、管理業務に活用できるようにした。
 システムのキーワードは、「ビッグデータ」と「非構造化データ」。前者はインターネット上に散在するカード加盟店とそれに付随する情報だ。具体的には、企業の公式ページに記載された文字情報をはじめ、ソーシャルメディア(SNS)や掲示板などを通じて不特定多数から発信される多様な情報が含まれる。そしてこの種のデータは、基幹業務で扱うような一定のフォーマットに基づいて「構造化」されたものではなく、発信源やタイミング、型式もマチマチな「非構造化データ」である。
 三井住友カード システム企画部 兼 インフラ企画部 シニアスタッフ 中村恭大氏は、「非構造化データ」に着目した経緯についてこう解説する。
 「今の時代、加盟店管理にもインターネットの情報は不可欠。当社の審査部門でも、もともとネット情報は活用してきましたが、公式ページの記載もTwitterのつぶやきも、すべて構造化されていない情報なので、基幹業務のような自動処理はできませんでした。そこで、この種のデータをシステムで一元管理できるようにし、作業量が増え続ける加盟店管理の自動化・効率化を進めたいと考えたのです」

 

加盟店の情報は自動収集 “うわさ”も整形して蓄積

三井住友カード  信用企画部 大場貴弘氏
三井住友カード
信用企画部
大場貴弘氏

 管理システムは24時間365日、インターネットをクローリング(自動巡回)して、ECサイトや掲示板、SNSなどをチェックし、あらかじめ設定したルールに従ってデータを蓄積していく。もちろん、ビッグデータを対象に単純な検索を行うのではなく、抽出するのは加盟店管理に有効と判断した情報だ。
 例えば、「A社」「商品が届かない」「担当者が不明」「説明がていねい」といった書き込みを見つけると、そのデータに意味を付与する「タグ」を付けてデータベースに落とす。つまり、単純に「A社」の企業名から検索するのではなく、加盟店管理業務の角度からフィルターを設定し、「A社」と「A社に関する“うわさ”や“つぶやき”」を含めたネット情報を検出する。
 データベースに蓄積した情報は、例えば、既存加盟店の途上管理においては、何らかの問題の兆候を発見すると、ダッシュボードという画面(後述)に、「審査票」の形で配信されてくる。
 この方式の利点について、三井住友カード 信用企画部の大場貴弘氏は、「加盟店管理業務におけるネット情報の収集や判断は、個人の習熟度と考え方によって差が生じていましたが、一定の法則で自動収集することによって、作業の迅速化と平準化が実現できています」と説明する。
 なお、多種多様なネット情報の意味を解釈し、管理業務に利用できる形に整形(タグ付け)する処理は、NTTデータが開発した「エンリッチ化技術」、非構造化データを格納するデータベースには、米Marklogic社の「Marklogic Server」を採用している(協業先の一社である日本総合研究所はプロジェクト管理を担当)。

 

「クレジットカード加盟店管理システム」の全体イメージ。インターネット情報を自動収集・ 分析し、問題の早期発見や加盟店管理業務の効率化、精度向上に役立てる。
「クレジットカード加盟店管理システム」の全体イメージ。インターネット情報を自動収集・分析し、
問題の早期発見や加盟店管理業務の効率化、精度向上に役立てる。

 

ダッシュボードに集約 “怪しい兆候”は注意喚起

三井住友カード  システム開発部  北條裕一氏
三井住友カード
システム開発部
北條裕一氏

 「システムが収集した情報は、いわゆるダッシュボード型のインターフェースで開示します。特長は加盟店管理に必要な情報を1画面に集約した点。従来は、場所や商材、責任者などを確かめたい場合、トップページから階層を降りて一つずつ探していましたが、今はここで一覧できるようになっています」(三井住友カード システム開発部 北條裕一氏)
 ダッシュボード型画面の基本構成は、1.検索条件入力エリア、2.ホームページ情報、3.地図情報・Web検索結果、4.商品情報・特商法表記・営業時間の4エリア。
 例えば、新規加盟の審査を行う場合、検索条件入力エリアに企業名や住所などを分かる範囲で指定すると、2.のスペースにURLの一覧と、もっとも関連が深いと思われるサイト(通常は公式ページ)が表示される。
 3.は所在地とWeb情報を確認するスペース。検索の段階で住所を入力しなくとも、公式ページから所在地を抽出してGoogleマップで示す。対象の企業がその業種にそぐわない場所にあったり、所番地に不審な点が見つかったりした場合は、ハイライト表示で注意を促す。Web検索結果は、Twitterや掲示板などから、企業の「屋号」+「評判」の要素で抽出した結果を集約表示。例えば、“不払い”“倒産”といったつぶやきや、“マルチ”“詐欺”のようなワードが見つかればこのスペースで表示される。
 4.商品情報は、ドラッグなどの違法商品や国際ブランドの規約で禁止されている商材に関するデータを扱う。例えば、既存加盟店の途上管理において、「都度払い」で決済しているはずのエステサロンで「~回払い」の表記がヒットすれば、「継続的役務」として処置が必要と瞬時に判断できる。また、法律で義務付けられている特定商取引法に基づく表記も抽出し、返品特約や問合せ先の明記などの内容に不備がないかをシステムがチェックする。

 

「能動的」な監視体制 普及と管理強化の両立を

三井住友カード  信用企画部  グループマネージャー 遠藤栄毅氏
三井住友カード
信用企画部
グループマネージャー
遠藤栄毅氏
 

 新システムの導入効果としては、管理業務の工数削減と効率化、平準化のほかに、監視体制の強化が挙げられた。
 「体制強化のポイントは“能動的な検出”です。従来の管理業務では、不審な売上発生などのトリガーを検知してからネットをチェックしていましたが、今はシステムが能動的に見回り、毎朝トラブルの兆候を上げてきます。
 受け身ではなく能動的に動くことで、管理対象の拡大、問題の早期発見、生産性向上にもつながっています」(三井住友カード 信用企画部 グループマネージャー 遠藤栄毅氏)
 現在のシステムで処理している対象は、新規の加盟審査と途上審査を合わせて1日数百件だという。途上管理でクローリングしている数ははるかに多いが、最終的な判断とその後の処置は担当者に委ねるため、定期的に「審査票」の形で出力する対象は、比較的リスクが高い業種などに意図的に絞り込んでいる。また現状は問題がない加盟店でも、データベースに入っている全ての企業に対して、最低でも1年に1回は新システムで精査しているという。
 「決済ツールや加盟店のニーズ、業務形態も急速に変わっていく時代です。今のシステムは、新しいニーズに対応できる柔軟性がありますので、変化にキャッチアップしながら、安全な決済環境の整備に向けた努力を続けていきます」
 今後の展開を含めて、三井住友カード インフラ企画部長の出口剛也氏はこう総括した。

 

 

(CardWave 2015年9・10月号掲載)

 

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