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2016.02.17

【特集】 ビッグデータの使い方~ジャックス編~(2015年9・10月号)

ビッグデータでCLOの精度と効果を上げる 「JACCSモール」の成長を加速する力に

 

ジャックスは2015年8月、ビッグデータを活用したCLO(Card Linked Offer)のサービスを開始した。同社が運営するショッピングサイト「JACCSモール」の利用者向けのサービスで、個々のカード会員に適したリアル店舗とECサイトのオファーを行う。会員の属性や決済履歴だけでなく、外部サイトにおける検索の内容や広告に対する反応などのデータと掛け合わせることで、高い精度でターゲットを抽出できる点が特長だ。

 

 

CLOの対象はリアルとEC 推進力は精緻な外部データ

ジャックス  カード企画部 カードプロモーション課  エリアスタッフマスター  松谷久実氏
ジャックス
カード企画部
カードプロモーション課
エリアスタッフマスター
松谷久実氏

 ジャックスが今年の夏から展開しているサービスは、カード会員向けのショッピングサイト「JACCSモール」に、CLOの手法を取り入れたもの。
 「JACCSモール」は、モールを経由して外部のサイトでショッピングや資料請求を行うと、通常の2~25倍のポイントが付くサービスだ。
 CLOは、カード会社が持つ会員属性や決済履歴などのデータからオファーの対象を厳選し、精度が高いマーケティングを実践する送客手法。具体的な方法としては、サイトに表示された加盟店の「エントリーボタン」を事前にクリックして有効期限内にその店舗でカード決済すると、クーポンなどの特典を適用するといった形で運用されている。一般的にはリアル店舗を対象にした手法と定義されているが、ジャックスの場合はリアルとECの双方に適用する送客スキームとして取り組んでいるという。
 現在の「JACCSモール」には、ECサイトを推奨する「ネットショッピング」と、リアル店舗を対象にした「街でためる」というメニューが併設されている。
 ポイントモールやCLO、そしてオンラインからオフラインの店舗に送客するO2O(Online to Offline)にしても、特に目新しいものではなく、カード業界では数年前から実践されてきた。同社のアプローチの斬新さは、ECサイトやリアル店舗のレコメンド(推奨)に、ビッグデータを取り入れた点にある。
 「われわれのCLOやO2Oは、自社で持っているカード会員の属性や決済履歴だけでなく、外部のデータを活用して高い精度で対象を抽出し、店舗をレコメンドしています。既存のサービスとの決定的な違いはここにあります」(ジャックス カード企画部 カードプロモーション課 エリアスタッフマスター 松谷久実氏)

 

社内と外部のデータを「DMP」でマッチングする

 サービスのバックエンドは、デジタルガレージが提供する「BIG MINING Private(ビッグマイニングプライベート)」(P14)。システムの中心部にある「Private-DMP(Data Management Platform)」は、企業が保有する会員情報や購買履歴などのデータを一元管理し、ECや検索サイト、価格比較サイト、各種予約サービスなど、オープンスペースにおける情報とマッチングして活用するためのプラットフォームだ。
 DMPを導入した経緯について松谷氏は、「カード会社の内部では会員の属性と購入記録は掴んでいますが、関心の対象や予約候補に加えたレストランの存在など、購買に至るまでの情報は把握できません。カード会社が持つデータとDMPが蓄積している多様な情報を掛け合わせることで、より高い精度でレコメンドできるようになると考えました」と話す。
 特定のカード会員とその会員の外部での行動を結びつける仕組みは、ブラウザを通じてPCにテキストデータを保存する「Cookie」と呼ぶ技術だ。
 同社のWeb会員向けサイト「インターコムクラブ」にアクセスした会員のブラウザにはCookieが設定され、その状態で検索サイトから入力したキーワードや、閲覧したサイトなどの記録はDMP上で照合できる。つまり、ブラウザベースで会員の識別と外部での行動のマッチングを行い、そのブラウザの向こうにいるユーザーに対して的確な内容のコンテンツや広告を提示するというスキームだ。

 

DMP を使った会員へのレコメンド(広告・特典配信)のイメージ。「Private-DMP」で、カー ド会社の保有データと外部サービスの利用データを掛け合わせ、個々の会員に最適なコンテ ンツを配信する
DMP を使った会員へのレコメンド(広告・特典配信)のイメージ。「Private-DMP」で、カード会社の
保有データと外部サービスの利用データを掛け合わせ、個々の会員に最適なコンテンツを配信
する

 

 

失敗からも学習し徐々に精度を上げていく

ジャックス  e ビジネス開発室  エキスパートマスター 宮腰勝春氏
ジャックス
e ビジネス開発室
エキスパートマスター
宮腰勝春氏

 DMPから生成されたメッセージは、「インターコムクラブ」にログインした直後や利用明細を確認する画面などに配置されたスペースに提示し、「JACCSモール」への入場を誘う。本格稼働から1カ月半の時点で、すでに効果は表れてきたという。ジャックス eビジネス開発室 エキスパートマスターの宮腰勝春氏は今回の施策について、「ECサイトへの送客とO2Oの両面から展開していますが、デジタルガレージ様から頂いた初期データを見る限り、まずECサイトに誘導するバナーのクリック率は確実に上がっています」と話す。
 一人のユーザーとして見ても、レコメンドの“質”は確実に変化してきたという。
 「例えば私自身、PCの購入を検討していた時期は関連サイトをよく見ていましたから、そのジャンルのバナー広告が出てきます。家電量販店やメーカー系のサイトが推薦されるのは普通ですが、時間の経過と共にやや専門的な店舗や、“意外”、“なるほど”と思えるようなサイトも入ってくるようになりました」(宮腰氏)
 DMPが学習を繰り返すことで、利用者の“ツボ”を推測したオファーを出すまでに進化しているようだ。
 「DMPの稼働初期は失敗からも学んでいる段階で、2カ月・3カ月とデータが蓄積されるに従って精度はまだまだ上がっていくと聞いています」(宮腰氏)
 ビッグデータの本領発揮はまだこれからのようだ。

 

成功の前提はサイト稼働率 モバイル展開も視野に
 今回のサービスを立ち上げるに際し、ジャックスでは会員サイトやモールの利用状況をよく分析したという。ビッグデータを活用してピンポイントの抽出を実践できたとしても、そのターゲットがオファーに接してくれなければ意味はないからだ。
 「会員サイトには平均して月2回のアクセスがありました。利用明細までは行かない人も、トップ画面は見てくれています。当社の場合、もともとキャンペーンが多いこと、あとはポイント数の確認にくる方が多いようです」(宮腰氏)
 月2回のアクセスは、他社の会員サイトに比べ高いレベルにあるだろう。同社の場合、カードを切り換えた際に残ったままの旧IDや、ログインエラーを繰り返しロックされたIDなどは整理し、利用実態があるIDだけをWeb会員としてキープしている。
 「会員サイトとモールにおけるアクセス数の確保、一定数のアクティブ会員の存在、そしてWeb会員の実像が把握しやすく、ビッグデータから効果的なオファーが打てること。プロジェクトの順調な滑り出しを支えている要因は、この辺りにあると思っています」(宮腰氏)
 今後の展開としては、当面は現状の方向を押し進め、日々蓄積されるデータを分析しながらマーケティングツールとしての精度を高めていく。そして次のアクションはモバイルだ。スマートフォン向けのサイトはすでに稼働しているが、CLOとO2Oの本格展開に合わせて、専用アプリの提供も計画しているという。
 「アプリでは、位置情報を使ったリアルタイムの送客にもトライしたいと思っています。モバイル端末が発信する位置情報をアプリで使用することを許可しない人は多いのですが、DMPに蓄積した店舗のデータや行動履歴を分析することで、端末の位置情報に頼らずに的確でタイムリーなオファーが出せるはずです」(宮腰氏)
 同社のビッグデータ活用は、「JACCSモール」が実践の場だ。このサイトは前年度比10%以上の成長を維持している。ビッグデータとDMPがこの流れを加速すると、ビッグデータの成功事例として、他分野からも注視される存在になるはずだ。

 

 

(CardWave 2015年9・10月号掲載)

 

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