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2016.02.24

【特集】 ビッグデータの使い方~かっこ編~(2015年9・10月号)

“ちょっとだけ未来の判断材料”を提示
データ解析で企業の知見を可視化する

 

かっこは統計分析の技術を活用した不正検知サービスやマーケティング支援、コンサルティングなどを手がける2011年設立のベンチャー企業。ビジネスや生活空間に散在するさまざまなデータを分析し、企業の問題解決のためのヒントを提示する。斬新な切り口による解析は、決済業界にとっても新しい指針となる要素は多い。

 

 

生活空間に散在する雑多なデータも取り込む

かっこ 執行役員  統計事業企画 ディビジョン  成田武雄氏
かっこ 執行役員
統計事業企画 ディビジョン
成田武雄氏

 かっこでは、データ解析をベースにした「コンサルティング事業」を手掛けている。ECサイトやソーシャルメディア上のデータ、あるいは公共機関が発表するオープンデータなどと企業が持つ固有の情報を掛け合わせ、さまざまなシミュレーションや情報提供を行い、問題解決を支援するサービスだ。
 これらの事業のベースになっている“ビッグデータ”の実態について、かっこ 執行役員 統計事業企画 ディビジョンの成田武雄氏が解説する。
 「表計算ソフトで扱うような定型的なデータだけではなく、生活空間にはモノの価格やトランザクションのデータ、その時点の気象、位置情報など、さまざまな情報があふれています。最近はモバイルやクラウド技術の進歩で、こうした雑多な情報も採取・蓄積しやすくなってきました。差し当たっては、これがビッグデータの実態と考えていいでしょう」
 当然ながら、雑多な情報の中から目的をもって抽出、解析を行うことで、データは初めて意味を持つ。
 「現場の方々はなかなか手が回らない作業ですが、ここを支援するのがわれわれのミッションです」。成田氏は最近の実例として、飲食業における予約業務の解析を示してくれた。

 

予約の記録を精緻に分析しポイント制度の見直しを

 かっこは2015年8月、予約台帳アプリ「トレタ」を提供するトレタと提携し、飲食店における予約データの解析を行った。
 「トレタ」は、飲食業における予約管理の分野では30%以上のシェアを持ち、全国約3,500の店舗に導入されている。今回のプロジェクトでは、クラウド側に蓄積された約160万件の予約データに対して分析を加えた。切り口は「新規客とリピータの比率」と「新規の客が常連に育つ割合」だ。
 分析の結果、新規と既存客の比率はほぼ9割が新規。1度予約をした人が2度目に予約を入れる割合は、100人中7人に止まっていた。これらのデータから、飲食店の新規客に対する依存度は予想以上に高く、固定客の育成は難しいという現実が読み取れる。
 「データ分析の目的は、次のアクションの判断材料を示すこと」と話す成田氏は、具体的な施策の一例として、ポイント制度の見直しを挙げた。
 「2回来店した人のうち、およそ4人に1人は3回目も予約を入れてくれたというデータが出ています。ならば、ポイントカードに10回20回と来店を記録してもらうより、3回目にインセンティブを出すなどのやり方で、3回来てくれる人を早く育てるべきでしょう」
 新規客の比率や何度も予約を入れる客の傾向は、現場の肌感覚では分かっていたかもしれないが、データとして明示され、具体的なアクションプランが立てやすくなった意義は大きい。

 

予約データを分析した例。初回来店の客 が2 度目に予約を入れるのは7.1%に止ま るが、2 回目の来店からは上昇していく。
予約データを分析した例。初回来店の客が2 度目に予約を入れるのは7.1%に止まるが、
2 回目の来店からは上昇していく。

 

 

PDCAの専任の分析チームが現場を理解してサポート

 かっこがトレタとの作業で示したような分析は、あらゆる業態に応用が可能だ。カンと経験で積み重ねた現場のノウハウを定量的に評価することで、その知見を共有できるようになる。
 その逆に、目に見えない経験値として継承されてきたルールが、必ずしも有効な策ではなかったということもあるだろう。こうした場面でも、客観的な数値があれば軌道修正はしやすい。
 知見を定量化する勘どころと、同社の強みについて成田氏が話す。
 「貯まっていくデータを闇雲に分析していては、何カ月もかかってしまいます。整理されていないデータから必要な要素を抜き出し、解析できる形に整える。ビッグデータを扱う上でもっとも負荷がかかり、分析する側の力量が出る部分でもありますが、“データカンパニー”である当社は、十数名の専任スタッフが当たっています」
 データの抽出、成形、分析に至る作業を進めるには、ツールを使った机上の計算以前に、クライアント企業と目的意識を共有することが不可欠。かっこでは、必要とあれば現場にスタッフを送り込んで現場を体感した上で、分析手法や手順の設計に取りかかるという。

 

データ分析の手順イメージ。データ収集、研磨(成形)、分析、のステップで構成される。
データ分析の手順イメージ。データ収集、研磨(成形)、分析、のステップで構成される。

 

 

CRMや不正検知にも分析技術を応用した発想を
 ビッグデータと解析を決済業界で生かしやすい領域として、成田氏は「マーケティング」と「不正検知」を挙げた。実は、同社ではコンサルティング事業のほかにも、クレジットカードの不正使用をはじめ、ECや通販での代金支払いをコンビニなどで行う「後払い決済」の不払いを検知するサービスも手掛けており、すでに2,000を超えるサイトに導入されている。この、後払い決済における審査技術を応用することで、新しい手法を開発できる可能性があるという。
 マーケティングの分野では、より精緻な広告展開やECサイトなどにおけるレコメンド(推奨)が行われる。クレジットカード決済の場合、カード会社は決済金額や加盟店名、会員のプロファイルは把握できるが、POSの情報がないために何を買ったかまでは分からない。一方、後払い決済はトランザクション単位で審査するため、端末の識別から、注文した商品、価格、発送先の住所などの詳細なデータを把握できている。
 「後払い決済のトランザクションからは、より多面的な解析ができます。もっとも、これは非常にセンシティブな情報なので、マーケティングに活用するにはパーミッションを含めて高いハードルがありますが、この先より高度なCRMを展開してく上では注目すべき領域です」(成田氏)
 不正検知にも新しい発想がある。例えば、現在のクレジット決済の場合、与信の基準は未払いの有無に置かれており、何度か問題が生じたカードは利用が停止される。ここは後払い決済も同様で、悪意や不注意からの不払いがあれば、トランザクションの審査ではねる。
 成田氏は「現状の決済サービスでは、仮に不注意による支払い忘れであっても一括りに『未払い』として扱われますが、より精緻な識別をして、対処方法を変えていく必要があるのではないか」と問題提起する。
 後払い決済の場合、取引停止が発生するのは化粧品や健康食品など特定業種に偏る傾向があり、繰り返し購入する人も含まれるという。成田氏の仮説では、「クレジットカードを使いたくない主婦が、たまたま支払伝票を紛失して期日までに払えなかった」といったような事情によるものが含まれているという。
 「実は、未払いが発生するケースの大半は、悪意のない人たちの不注意によるものです。未回収の有無だけで判断すると、こうした人たちも切り捨てることになりますが、故意と不注意を見分ける仕組みを整えて、悪意がない人たちを大事に育てていくことも考えるべきでしょう」(成田氏)
 現状の決済サービスでは、後払い決済も含め、サービス提供の体制、運用、既存の審査システムとの整合などの面でハードルは高く、早期の実践は難しい。しかし、少子化が進む状況にあって、ECやカードの分野では、新規客の獲得にかかるコストは増加傾向にある。成田氏が示したような既存客育成の発想も、今後は重視されていくことになるかもしれない。

 

 

(CardWave 2015年9・10月号掲載)

 

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