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2016.03.23

Pick up Topics~マネーフォワード編~(2015年11・12月号)

FinTech世代の「全自動家計簿」
銀行やカード、ECサイトのデータも集約

 

マネーフォワード社が提供する全自動家計簿「マネーフォワード」は、2012年12月の発表以来、ほぼ3年でユーザー数が300万人を超え、FinTech分野の代表的なサービスとして注目を集めている。法人向けに開発された「MFクラウドシリーズ」も、着実に実績を伸ばしている。「マネーフォワード」に備わる機能のエッセンスとFinTech市場に対する期待、今後の展開計画について聞いた。

 

対応金融機関は2,500 複数サービスを横断管理

 マネーフォワードが開発した「マネーフォワード」は、PCやスマートフォンなどで使える全自動型の家計簿。PC利用時は専用サイトにログイン、モバイル端末では専用アプリをインストールして財務管理のサービスを利用する。
 基本機能は、登録した銀行やクレジットカードなどの利用状況をサイトから自動取得し、家計簿に集約する点だ。対応する金融機関は銀行やカード以外にも、電子マネー、ポイント、通販、FX・貴金属などの分野に拡がり、総数は2,500社以上(2015年12月時点)
 個人が持つ銀行口座やローン、投資信託、年金などの情報を登録すれば、入出金の明細、月次推移、出金予定などの詳細を把握できるようになる。日々の買い物を記録する単純な家計簿ではなく、支出の分析、資産運用のシミュレーション機能なども備えた「PFM(個人財務管理)」の領域にあるプロダクトだ。
 なお、複数のサービスに跨がる情報を一つのアカウントに集約する機能を、一般に「アカウントアグリゲーション」と呼ぶが、金融機関などの情報を扱うサービスとしては、「マネーフォワード」が国内でも先駆的な存在だ。

 

AIとテレビCMも駆使 「キャズム」は超えた

マネーフォワード 取締役 Fintech 研究所長  瀧 俊雄氏
マネーフォワード 取締役
Fintech 研究所長
瀧 俊雄氏

 「マネーフォワード」の基盤技術としては、さまざまなデータを自動分類する機能が挙げられる。マネーフォワード 取締役 Fintech研究所長の瀧 俊雄氏は、「金融機関から取得した情報は、システム側の辞書とAI(人工知能)を使って、食費、現金・カード、教育・教養などの費目に区分して整理します。ユーザーに分類を委ねる項目も一部残りますが、一度設定してもらえば以後は自動処理。この部分がわれわれのサービスの根幹です」と説明する。
 「マネーフォワード」のビジネスとしての第1次成長期は、スマートフォンアプリを出してモバイル重視に舵を切った2013年1月以降。当初、モバイルはPCの補助版で「今にして思うとスケールしない発想」(瀧氏)だったが、モバイルユーザーはPC版の5倍以上の比率で伸び続けた。
 「外出先で使う場面は想定していましたが、仕事の合間に数秒で銀行口座を確認したり、帰路にその日のカードの利用明細をチェックしたりといったニーズが思いのほか多かった。現状は、こうした用途を軸に機能とインターフェースを磨いています」(瀧氏)
 “アプリ”と“家計簿”のキーワードでは、ターゲットは自発的に検索する人に限られてしまう。ダウンロード数が100万件を超えても、先進的な技術に感度の高いアーリーアダプターから、一般的なユーザーへ浸透するまでに存在する壁、いわゆる“キャズム超え”という難関もあった。
 「われわれのサービスは、1度使うとその良さは理解していただけるので、有料のプレミアム版の利用率も高くなっています。そこで満足するのではなく、できるだけ多くの方に広く遍く使われるツールを目指していますが、マスに対するわれわれの影響力は限られます。そこで、思い切ってテレビCMを打ってみることにしたのです」(瀧氏)
 果たして、この選択は吉と出る。ユーザー数の大幅な伸びに加え、製品の改良につながる良質なフィードバックも急増、B2Bの充実にも結びついたという。

 

法人向けマーケットでも強固な土台を形成

 法人向けの「MFクラウドシリーズ」は、2014年1月に有償版を正式リリースしている。開発のきっかけはユーザーサポートに寄せられた声だった。
 「会計ソフトの分野では、当社のようなアグリゲーションができるところが限られていたせいか、法人ユーザーも日増しに増え、決算時の書類作りや確定申告に使いたいという問合わせが頻繁に入るようになりました。当初、会計は意識していなかったのですが、こうした要望を受けて『MFクラウド会計』を開発しました」(瀧氏)
 企業の会計処理は、家計簿と違い金融機関から取得したデータを、自動分類するだけでは“及第点”は得られない。経営者や税理士などの専門家と同等の“正しい判断”と、会計制度上の取り決めに基づき、責任を持って「仕分け」をする機能が前提だ。
 公認会計士の試験合格者でもあるエンジニアが主導して、会計、給与計算、請求書発行などの機能を整備。現在は「MFクラウド会計・確定申告」「MFクラウド請求書」「MFクラウドマイナンバー」などのサービスを体系化している。
 B2Bの拡張には大きな転機もあった。特に中小企業では、会計ソフトの選択を税理士に委ねることが多いため、商品特性を税理士のニーズに寄せていったという。税理士本来の使命は、経理面からの戦略的アドバイスだが、AIに置き換えられるような入出力、仕分けに多くの時間を割いているのが実情だ。そこで専門家の話をフィードバックしながら、この部分を効率化する機能を磨いていった。
 2014年春には製品コンセプトが受け入れられ、大阪にある大手税理士事務所が受け持つ全ての顧問先にも導入され、現在40万以上の事業者が利用している。 
 「税理士と会計ソフトの関係は、“料理人と包丁”と言うより、“まな板や食材も含めた全て”、に近い。機能不足や不具合でもあれば、税理士と顧問先との関係を損ねてしまいます。こうした厳しい条件下で選んでいただいたことが、B2Bを拡大していく上でのフックになりました」(瀧氏)

 

ゴールは“人生の可視化” MFをポータルに育てる

 今後の展開について瀧氏は、「PFMとクラウド会計の両軸で、名実ともにナンバーワンプレーヤーになること。個人の財務管理、中小企業の活性化に貢献し、FinTech市場を伸ばしていく。それにはやはり社会の信頼、サービスの充実が欠かせません」と意気込む。
 信頼感の醸成のため、セキュリティの強化にも注力しているという。
 「ユーザーには見えにくい部分ですが、さまざまなセキュリティ施策とその強化は、わが社の最優先事項になります。開発のスピードはある程度犠牲になりますが、これは不可欠な処置だと考えています」(瀧氏)
 もう一つは、企業社会とのリレーションの強化と維持だ。銀行をはじめとする多くの金融機関、決済事業者、通信事業者などと出資や提携関係を築いている実績は、サービスと企業に対する信頼の証となっている。
 こうしたファイナンス分野の取り組みに加え、テクノロジー面ではセキュリティ強化と並行して、個人や企業のニーズに寄り添ったより高度なサービスの開発を目指している。現在のPFMでも収支を分析した上で、保険の新規加入、資産運用、住宅ローンの組み直しといった提案は、ある程度は自動で行える。しかし、AIに投資信託を勧められたとして、(良い結果につながる可能性が高いとしても)納得して買う人は少ないだろう。
 瀧氏が答える。「収入のグラフやAIが算出した出金予測を見せられても、その先の行動を決めるに際し、判断に迷う人の方が多いはず。そこでわれわれがなすべきことは、“人生の可視化”。シミュレーション機能をもっと充実させて、人生のさまざまな局面において、納得のいく形でデータを示し、お金の使い方をアドバイスできるような存在です」
 その先には、FinTechのポータル(玄関)が見えてくる。「マネーフォワード」を起点に、投資や融資、クラウドファンディングからの資金調達など、さまざまなアクションを起こすための機能の整備だ。今後はポータルの形成を目指し、技術開発に加えて外部企業とのパートナーシップの形成にもいっそう注力していくという。

 

家計の内訳や月次の推移をグラフ化。マネーフォワードユーザーは平均して月額11,642円、プレミアム版利用者は同20,223 円程度の節約を達成している。
家計の内訳や月次の推移をグラフ化。マネーフォワードユーザーは平均して月額11,642円、プレ
ミアム版利用者は同20,223 円程度の節約を達成している。

 

(CardWave 2015年11・12月号掲載)

 

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