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2015.07.08

【特集】CLOの“送客力”は本物か?~カンム編~(2014年9・10月号)

国内初のCLOベンダーとして市場を拓く
新たなパートナーも加わり体制を強化

ホーム画面


カンムはクレディセゾンと提携し、2013年6月に国内では初となる本格的なCLOサービス「セゾンCLO」を商用化している。発表当時、加盟店側の運用負担やコスト上のリスクはなく、カード会員にも大きな負荷をかけない画期的なスキームとして、クレジットカード業界やマーケティングの分野で話題を集めた。サービス開始からほぼ1年。これまでに積み上げてきた成果、見えてきた可能性と課題、今後の拡張計画を聞いた。

 

※写真:新たに提供されるスマートフォンアプリの画面イメージ。位置情報を活用したサービス展開も。

 

 

Web明細にクーポン提示 「永久不滅ポイント」を付与

2013年6月に起動した「セゾンCLO」は、クレディセゾンのネット会員が対象。Webの利用明細画面に貼られたバナーからメニューに入り、店舗が出すオファーの内容を確認して「登録」のボタンをクリックすると、ネット会員として登録したクレジットカードとひも付けられる。あとは、リアル店舗やECサイトでそのカードを使って対象の商品者サービスを決済すると、「永久不滅ポイント」(クレディセゾンのポイントプログラム)が付与されるという流れだ。
 カード会員のデータベースは、利用者の属性、決済した分野などの項目でセグメントされていて、加盟店がオファーを出す際は、詳細なターゲティングが可能。ビジネスモデルはアフィリエイト(成果報酬)型で、決済が成立した際に加盟店から一定のフィーが支払われ、それをカンムとクレディセゾンで分配する。加盟店にとってはコスト上のリスクがなく、決済システムの改修や店舗でのオペレーションの追加も生じない点がメリットだ。カード会員もWeb上で事前にエントリーするだけで、決済時は紙のクーポンを持参したり、スマートフォンの画面を見せたりする必要はない。

 

加盟店は100社を突破 すそ野拡大への土台も整備

カンム 代表取締役社長  八巻 渉氏
カンム 代表取締役社長
八巻 渉氏

「セゾンCLO」はサービス開始時から、ローソン、QVC、パルコ、TOHOシネマズなど、著名な加盟店が名を連ねていたが、その後、飲食、百貨店、流通などの分野を中心に拡がり、現在は約100社に達した。八巻氏は「1年目の成果としてはまずまずと言えますが、もちろん目標はずっと先。時間はかかるとしても、数千社、1万社を目指しているので」と話す。
 参加店舗の拡張は、クレディセゾンが主体になって進めているが、カンム側でも加盟店に出向いて、直接このサービスの特長を訴求するケースもある。営業先の受け持ちは明確な区分はないが、カード発行会社のクレディセゾンと直接加盟店契約を交わしている企業(オンアス取引)はセゾン、それ以外はカンムが担当するケースが多いという。
 カンムが提供するCLOのサービス形態だと、イシュアとアクワイアラが同一のオンアス取引以外は、カード発行元(イシュア)が持つ会員情報と加盟店IDをひも付けたインセンティブの管理が困難なため、オンアス以外の加盟店に適用することは難しい。
 そこで同社では、ノットオンアスの加盟店が利用するための技術を開発し、特許も出願中だという。これによりクレディセゾンと加盟店契約を交わしている大手の事業者以外、中小や地方の加盟店への拡がりも期待できる。
 八巻氏は「意外でしたが、地方の百貨店でかなり高いコンバージョン率(購入に至った割合)を記録したケースがあります。検証はしきれていませんが、店舗が密集して選択肢が多い大都市より、地方の方がクーポンを起点とした動線が描きやすいのかもしれません」と、今後の展開のヒントになったと話している。

 

Web明細画面に加え ネット広告にも販路を

 この1年間、試行錯誤を重ね、クーポンの内容とユーザーインタフェースは継続的に更新してきた。例えば、同種のクーポンなら期限なしの方が利用率は高いことが分かってきた。「“あと○日” と出していたクーポンから期限の表示を外したら、エントリー率が2倍になったケースもあります。ボタンを押しやすい方が選ばれるようです。こうしたトライ&エラーは継続的にやっていて、コンバージョンを高めるよう精度を上げています」(八巻氏)
 一方で、課題となったのがWeb明細画面に限られるクーポンの配信チャンネルの拡張だ。カード会員がWeb明細を確認するのは、平均して月に1~2回とされる。現状のシステムで配置できるクーポンは、3種類(スクロールも可能)。クレディセゾンのWeb サービスのトップ画面をはじめ、複数箇所でそれぞれ提示しているが、ユーザーとの接点の数としては少ない。
 打開策の一つは、ネット広告の活用。検索サイトやECサイトなどにバナーを貼り、ここからもエントリーできるようにする。著名サイトを使う手法はマス・マーケティングとも思えるが、CLOの特性であるターゲットを絞った配信は保つ。
 この点について八巻氏は、「ブラウザにWebの閲覧履歴などが残るCookieを使います。アクセスしてきた人の中からクレディセゾン会員を抽出し、さらにその人の属性に合わせた内容を配信するのです」と説明する。データ解析やターゲティングは八巻氏の専門であり、技術的なハードルは高くはないという。
 広告のコスト面は単純なクリック数に加えて、一定回数ごとや、成約に至った件数ベースなど、さまざまな課金形態がある。それらをうまく組み合わせることで、大きな負担にはならないと見ている。さらに、アドテク企業出身者を採用し、プライバシー保護も含めたより発展的なビジネス設計を進めているという。

加盟店に提供されるクーポン配信結果の報告。クーポン利用者のセグメント別の分布状況などが数値とグラフで示される。
加盟店に提供されるクーポン配信結果の報告。クーポン利用者のセグメント別の分布状況など
が数値とグラフで示される。

 

スマホアプリでサービス強化 他のカード会社との提携も
スマートフォンアプリも、間もなくリリースされる。クレディセゾンのアプリとして提供するもので、ユーザーはこれまでと同様、セゾンのネット会員が対象だ。今後は利用者にパーミッション(許諾)を得た上で、位置情報を使ったサービスも展開できる。この場合も配信はパーソナライズし、2人の会員が一緒に街を歩いても、それぞれの端末には別のクーポンが配信されるという。
 この秋から来年にかけての大きな動きとしては、新しい提携先とのプロジェクトが発表されそうだ。
「近々、他のカード会社とのアライアンスを正式発表できると思います。来春にはもう2社、他にもコンサルタントとして契約する話も進んでいます」(八巻氏)
 カンムのビジネスとしては、会員層を拡げ、インセンティブも共通ポイントやキャッシュバックなども加え、CLOのすそ野拡大と質的な充実を図ることがカギになる。
 CLOが国内で本格稼働して1年余。当初はこれまでにない斬新なサービスとして注目されたが、業界全体が懐く印象は、「予想したほどの急展開はない」が正直なところだろう。ここは八巻氏も想定していた部分もあるようだ。
「ネット広告やカードの付加サービスが成熟した米国と比べ、CLOの仕組みが普通に受け入れられるようになるには、時間がかかると思っていました。臨機応変に最適なコンテンツ配信するアドテクノロジーを使ったり、マーケティングのデータを細かく分析し、販売戦略に落とし込んだりする事業者はまだ限られます」
 当然ながら、市場全体のリテラシー向上を待っているわけにはいかない。カンムはこの先、オーソドックスなアプローチとしては、データの重要性を理解している事業者に対し、CLOの実績を示して地道なアピールを続ける。その一方、CLOとアドテクノロジーの連動など開発面も強化し、CLOの機能拡張とシェア確保を進めていくという。

 

(CardWave 2014年9・10月号掲載)

 

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