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2015.08.19

【特集】「モバイルウォレット」で出来ること~大日本印刷編~(2014年5・6月号)

 

既存のリソースも活用しサービスを構築
“外の世界”とも連携した成長戦略を

 


大日本印刷(DNP)が提供するモバイルウォレットは、端末側のアプリやモバイルウォレットサーバを中心とした新しい技術と「ポイント」「クーポン」「プリペイドカード」「ID カード」など、同社がこれまでカードやモバイルビジネスで積み上げてきたリソースを連動させている点が特徴だ。商用サービスの稼働は2014年2月。同社ではビジネスの拡張を目指すと同時に、数年後を視野に入れたサービス開発にも着手している。

 

中心軸は複数アプリの一元管理 決済の搭載は次のステップで

大日本印刷 情報ソリューション事業部  デジタルセキュリティ本部 モバイルサービス部  部長 土屋輝直氏
大日本印刷
情報ソリューション事業部
デジタルセキュリティ本部
モバイルサービス部
部長 土屋輝直氏

 モバイルウォレットに対するDNPの考え方は、「複数のアプリケーションを一元管理する“器”」。DNP情報ソリューション事業部 デジタルセキュリティ本部 モバイルサービス部 部長の土屋輝直氏が解説を加える。
 「決済周りのさまざまなサービスを統合し、便利に使えるようにするためのプラットフォームを、当社では“ウォレット” と称しています。サービスを利用するためのインターフェースは、使い勝手から言えばNFCが一番マッチしますが、一つの要素技術を前面に出すことはありません。バーコードを含め、ユーザーが望むものをそろえることが基本姿勢です」
 アプリケーションは決済を軸にするが、現状で必須とは考えていないという。モバイル機器を使う決済サービスでは、「おサイフケータイ」の伸びは頭打ちで、NFC仕様の「PayPass/payWave」は、国内ではこれからインフラ整備が始まる段階だ。
 「少し先を見れば、決済が来ることは確実ですが、現状は付加サービスが重要と認識しています。海外でモバイル対面決済がない環境では、NFC決済を搭載したウォレットが一気に広まる展開はあっても、FeliCaインフラがある国内は異なるはず。送客やCRMから入り、次のステップで決済を載せることになるでしょう」(土屋氏)

 

商用化第1号は美容サロン 事業者とサービスには変化の兆し

 DNPでは、モバイルウォレットの分野で多くの実績を持つシーサム社と提携し、同社の技術をカスタマイズして、日本とアジア太平洋地域の企業に提供する体制を整えている。現時点では、このラインから生まれた二つのサービス稼働している。
 国内における商用化第1号は、今年2月にサービスインした美容サロン向けの「Salon de Wallet(サロン・ド・ワレット)」。ハイパーソフト社が全国2,300店の美容サロンに提供しているPOSシステムと連動するサービスで、会員向けにはスマートフォン(スマホ)アプリを配布し、予約や利用履歴の閲覧、ポイントなどのサービスを提供。店舗に対しては、売上管理、顧客管理などのPOS機能を提供するものだ。
 もう一つは、本特集のジェーシービーの項でもとり上げた「トレッサ横浜」。本格稼働はこの夏からで、オンラインからリアル店舗へ誘導するO2Oや、施設内の回遊の活性化を意識したウォレットアプリが提供される。
 土屋氏は、二つのサービスは最近のモバイルウォレットの傾向を表していると話す。
 「モバイルウォレットは、2~3年前まで携帯電話事業者やカード会社から出てくる話が多かったのですが、今は流通・小売、サービスなどの業種に広がってきました。内容も運用とシステム的な負担が大きい決済はいったん保留し、ポイントやクーポンを軸とする顧客サービス、プロモーションが先行しています」

 

既存のリソースとオーナー固有のサービスを統合

 DNPのソリューションは、今後の搭載が予定される決済に加えて、土屋氏が最近の傾向として示した、事業者の広がりとサービスの多様化にも対応できる幅の広さが特長だ。
 ウォレットを構成するシステムは、ユーザーに配布する「モバイルWallet アプリケーション」、DNPとウォレットオーナーから提供される各種サービス、そしてこれらのサービスをユーザー端末で実行するための一連の処理を担う「モバイルWalletサーバ」の3要素(図1)。

図1. モバイルWallet サービスの全体構成図。機能の中心は、DNP とサービス事業者が提供するサービスを 管理して、ユーザー端末に提供する「モバイルWallet サーバ」
図1. モバイルWallet サービスの全体構成図。機能の中心は、DNP とサービス事業者が提供する
サービスを管理して、ユーザー端末に提供する「モバイルWallet サーバ」

 

 サービス利用時のインターフェースは、当面は非接触IC(FeliCa/NFC)に限定せず、バーコードや二次元コードを組み込む。既存の方式に加えて、ヘルスケア機器などに使われ始めた低消費電力が特長の「Bluetooth Low Energy」など、新しい技術も取り込んでいくという。
 他社と差別化する要素としては、既に多くの稼働実績を持つDNPのサービスを切り出し、ウォレットアプリを構成できる点が挙げられた(図2)。

図2. モバイルWallet サービスで提供される機能。サービス事業者のニーズに応じて、ユーザー側アプリに 実装するメニューを構成する
図2. モバイルWallet サービスで提供される機能。サービス事業者のニーズに応じて、ユーザー側
アプリに実装するメニューを構成する

 

 「クーポンやポイント、プリペイド決済などのジャンルは、当社がご提供してきた汎用システムを活用できるのでウォレットのオーナー事業者は、新規にサービス設計を行うことなく導入が可能です。このようなエントリータイプから、決済やさまざまなサービスを視野に入れた拡張性のあるウォレットまで、ワンストップで対応できる体制を整えています」(DNP情報ソリューション部 デジタルセキュリティ本部 モバイルサービス部・西 依理子氏)

 

多様なデバイスとの連携も 2020年のウォレットの形は?
 今後のモバイルウォレットビジネスについて土屋氏は、「成否を左右する要素は、ユーザーが本当に便利に感じ、対価を払ってもいいと思うサービス。これをウォレットに組み込んでいけるかどうかが勝負」と語る。
 戦略的には、POPやデジタルサイネージ(電子看板)などのメディア、各種電子デバイス、非接触ICなどのインターフェースをトータルで見て、モバイルウォレットを切り口にしてシナジーを生んでいく。
 有望視している分野の一つとして、ヘルスケアが挙げられた。「Salon de Wallet」のようなアプリの提供に加え、肌センサーなどのデバイスと連動して、サービスの質を上げていく。
 こうした展開と並行して、DNPでは「未来のモバイルソリューション」のコンセプトを掲げ、もう少し先を見たサービス開発も行っている。目線の先は、東京オリンピックが開催される2020年前後。
 「例えば、客を無線で認識するチェックイン、ポイントなどの履歴を生かしたOne to Oneマーケティングの充実なども考えられる。決済シーンでは、バイオメトリクスを使った認証も本格的な実用化が始まると見ています」(土屋氏)
 土屋氏は特に、顔認証技術を用いた決済に期待を寄せているという。会員登録の際、顔写真の特徴点を示すデータを、モバイル端末に実装されたセキュアなチップに書き込んでおく。ユーザーが認証用カメラの前に立つと、チェックイン時などに認識した個人データと照合して決済を行う。より便利、より楽しい買い物のシーンを創出できるはずだ。
 DNPでは、モバイルウォレットをプラットフォームとしてさまざまなリソースを組合せ、こうした中長期を見据えたサービス開発にも力を入れていく意向だ。 


 

(CardWave 2014年5・6月号掲載)

 

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