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2015.09.30

【特集】ブランドデビット普及のカギ~楽天銀行編~(2014年3・4月号)

 

キャッシュレス化実現への最適ツール
「ボリュームビジネス」で成功目指す

 


楽天銀行は前身であるイーバンク銀行時代の2007年にVisaデビット機能付きの「イーバンクマネーカード」を発行しており、この分野では草分けの一社としてノウハウを積み上げてきた。楽天グループへの編入後も、ネット銀行の特性を生かし、キャッシュレス化の推進を軸に、カード決済の浸透を計ると同時に、グループのリソース「楽天スーパーポイント」の求心力も活用して収益性向上に取り組んでいる。

 

楽天銀行デビットカード/ 楽天銀行デビットカード(ゴールド)。キャッシュカードの機能( 国内ATM)に加えて、国内外Visa加盟店におけるショッピング、および海外の「PLUS」「Visa」マークがついたATM から現地通貨を引き出せる。ゴールドには、海外渡航時の各種優待サービスなどの特典が付く。
楽天銀行デビットカード/ 楽天銀行デビットカード(ゴールド)。キャッシュカードの機能( 国内ATM)に加えて、国内外Visa加盟店におけるショッピング、および海外の「PLUS」「Visa」マークがついたATM から現地通貨を引き出せる。ゴールドには、海外渡航時の各種優待サービスなどの特典が付く。

 

楽天スーパーポイントの効果 ユーザー男女比は6:4

楽天銀行  営業・マーケティング本部 営業企画部 カードチームリーダー 福田哲也氏
楽天銀行
営業・マーケティング本部
営業企画部 カードチームリーダー
福田哲也氏

 楽天銀行のVisaデビットは、「楽天銀行デビットカード」と「楽天銀行デビットカード(ゴールド)」の2種類。いずれもキャッシュカードとVisaデビットの機能を1枚に集約したマルチユースのカードだ。券面にはICチップが搭載され、ICキャッシュカードとしてATMの利用に加え、VisaデビットについてもEMVで決済できるようになっている。
 「最大の売りは、『楽天スーパーポイント』が貯まる点です。銀行が運用するデビットカードはポイント付与が難しい面もありますが、当社は楽天グループのポイントプログラムを、クレジットカードと同様の形でご提供できるように整備しました」(楽天銀行営業・マーケティング本部 営業企画部カードチームリーダー・福田哲也氏)
 楽天銀行デビットカード(年会費1,000円)は1,000円に付き2ポイント、ゴールド(同3,000円)は5ポイントが貯まる。なお、国内でVisaデビットのゴールドカードを発行しているのは、今のところ楽天銀行だけだ。
 ポイントサービスは、Visaデビットのユーザー層を形成する要素の1つにもなっている。ネット銀行の利用者は、30~40代がコアとされる。楽天銀行のボリュームゾーンもここで、全体の6割強がこの世代だ。
 「Visaデビットのユーザー層も、ここに重なります。男女比では男性が約6割。女性の比率が比較的高い点は、当行の特徴と言えるでしょう。よりお得な口座、ポイントに敏感な女性を、引きつけているのだと思います」(福田氏)
 Visaデビットの決済先も、楽天銀行、楽天グループの持ち味を投影している。ネットショッピングが多くを占める点は当然として、通販、旅行代理店など女性ユーザーの嗜好を反映した加盟店も目立つという。

 

ATMから店舗決済へ誘導 基本はキャッシュレスの実践

楽天銀行  営業・マーケティング本部 本部長補佐 兼 営業企画部長 岩永和道氏
楽天銀行
営業・マーケティング本部
本部長補佐 兼 営業企画部長
岩永和道氏

 店舗やATMを持たないネット専業銀行には、ATMの利用に付随する手数料収入がない。自行の口座保有者がキャッシュカードで預金を引き出すと、ATMを運用する事業者に対するコストも発生する。そのためイシュアとしては、口座保有者がATMから現金を引き出して買物に使うニーズを、デビットカードで直接決済するシーンに移していきたい。
 この視点は、イーバンク時代にVisaデビットを起案したときからあったという。楽天銀行 営業・マーケティング本部 本部長補佐 兼 営業企画部長の岩永和道氏は、ビジネスの狙いについてこう話す。
 「ATM手数料の負担は、確かにカード決済を促進する理由の一つですが、われわれはネット銀行ですから、基本線はキャッシュを使わない環境を広げていくこと。ユーザーにとっても、ATMを利用して預金を引き出すより、キャッシュレスでそのまま買物ができ、ポイントも付くVisaデビットの方が満足度は高いはずです」
 ただ、主眼はキャッシュレスとしても、現金が完全に不要になることはない。いざとなればキャッシュを引き出せる安心感があればこそ、キャッシュレスの便利さを享受できる。
 「そこは当然、銀行としてやらなければなりません。他行との提携の形は工夫していますので、いろいろな場所で現金が降ろせる機能は確保しています。Visaデビットによるキャッシュレスと利便性、現金が引き出せる安心感はセットと考えています」(岩永氏)

 

デビットは“ 量”のビジネス 「普通の決済」は成長の余地大

 Visaデビットのイシュアとして、カードは顧客サービスの一環であると同時に、カード発行・運用にコストがかかるため、収益を上げる商材として回していかなければならない。楽天銀行の場合も、どちらか一方を重視することはなく双方の実践が前提だ。
 具体的な戦略について岩永氏は、「二つの並立は、“ボリューム” がカギです。デビットにはクレジットカードのような金利収入がなく、決済一本で運用しますから、取り扱いのボリュームが少ないとビジネスモデルとしては厳しい。逆に言うと、即時払いのデビットはシンプルな仕組みで、現金に近い“普通の決済” とも考えられますから、ハードルは低く簡単に導入できます。発行数、単価がどんどん伸びる可能性もあるわけです」と説明する。
 楽天銀行の口座保有者は450万(2014年1月末)だが、「Visaデビットの利用者は、口座全体からみればまだまだ少数」(福田氏)という状況だ。ちなみに決済単価は、「当行で発行しているクレジットカードと比べて“やや低い” というレベル」(福田氏)で推移している。
 1件当たりの単価は低めでも、「量」の事業に膨らませ、収益の柱に育てていくことがチームのミッションだ。

 

海外並みのカード市場形成を デビットの潜在顧客に期待

 海外の状況を見ると、カードが普及している国の多くは、クレジットとデビットの比率が同等か、発行件数、決済額ともデビットがかなり上回る地域もある。岩永氏は、日本も海外に近い市場ができる可能性は十分あると見る。
 「国内のクレジットカード利用者の多くは、一括払いで決済しています。後払い、分割払いの良さに引かれて、クレジットを使っているとは限りません。単なる決済手段の1 つで、デビットのようなサービスが浸透していなかったから、クレジットを選んだという面もあるでしょう。そう考えると、使ったらすぐに口座から落ちて構わない、むしろ即時払いを好む、という人も多いはず。日本人の感覚、商習慣を加味すると、相当数がここに当てはまるのではないでしょうか」
 岩永氏の仮説に同意する人は多いだろう。これが的を射ているとすれば、決済カードを使う人の多くは、デビットの潜在ユーザーにカウントできる。
 「クレジットとデビットが拮抗する諸外国の状況を当てはめるなら、デビットカードを運用するインフラ整備が期待できる今後は、半数をデビットが占めるようになっても不思議ではありません」(岩永氏)
 ゴールを見据えた展開として、第1ステップはこの商品を周知していくこと。並行して、サービスの質的充実も図る。
 「ネット銀行として、デビット利用時のメール配信機能や、セキュリティ機能の強化にも、引き続き注力していきます。また、お客様の目線で見るとクレジットと類似したサービスですから、ポイント還元などはクレジットと同等レベルを維持することも必須です。ただ、喫緊の課題は、やはりボリュームの増加。できるだけ早い時期にクレジットと同等まで引き上げたい」(岩永氏)
 一定のボリュームを確保した次のステップでは、カード決済のデータをマーケティングに生かすO2O(Online to Offline)のような送客ビジネスも検討していくという。

 

Visa デビットのイシュアとして国内で唯一ゴールドカードを発行していることから、一般カードとの違いをアピールして会員募集を進めている。
Visa デビットのイシュアとして国内で唯一ゴールドカードを発行していることから、一般カード
との違いをアピールして会員募集を進めている。

 

(CardWave 2014年3・4月号掲載)

 

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