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2015.12.16

【特集】”新世代決済サービス”の実力~メタップス編~(2015年3・4月号)

 

“決済手数料ゼロ円” のカードビジネス
「フリーミアム」とデータ分析で業界に新風


メタップスが提供している「SPIKE(スパイク)」は、Webサイトに簡単なプログラムを追加するだけでクレジットカード決済の機能を搭載できる新しいタイプの決済サービス。最大の特徴は、一定の金額までは決済手数料を無料にした点にある。国内のカードビジネスにおいて、“手数料ゼロ” はほとんど前例がない。常識を超えたモデルを維持できる理由、ビジネスの現状、今後の展開計画について聞いた。

 

 

簡単操作でWebに決済機能 100万円まではすべて無料

 メタップスが開発した「SPIKE」は、2014年4月から本格展開を開始したオンラインの決済代行サービスだ。
 基本機能は、さまざまなWebページにカード決済機能を容易に実装できることである。Web上でカード決済を行う場合、通常は決済代行事業者が提供するモジュールを組み込んだり、「ショッピングモール」のような場所を限定して運用し、信頼性と安全性を保つ必要がある。
 SPIKEは、サイトの任意の場所に数行のコード(メタップスが運用する決済システムへのリンク)を付け足すだけで、その場所にカード決済の機能を持たせることができる(既存ECサイトにSPIKEを組み込むためのAPIも利用可能)。
 こうした新規性に加えて、“一定金額までは決済手数料無料”という画期的なビジネスモデルを提供してる。
 サービス体系は、「フリープラン」と「ビジネスプレミアム」の二種類。前者は初期費用と月額費用は無料、月間の取扱高が100万円までは決済手数料とトランザクションフィーは無料で、100万円を超えた分は4.0% +30円。後者は初期費用が無料、月額費用が3,000円、月に1,000万円までは決済手数料、トランザクションフィーは無料で、超過分は2.5% +30円となっている。

 

モデルは「フリーミアム」 “1対9の法則”が成り立つ

メタップス プロダクト統括部 SPIKE事業開発チーム  部長 荻原充彦氏
メタップス
プロダクト統括部
SPIKE事業開発チーム
部長 荻原充彦氏

 金額の上限があるとは言え、既存のカードビジネスにおいて「手数料ゼロ円」というのは考えられないスキームだった。発想の起点は、“ゼロありき”。メタップスにはEC分野における決済事業の経験があり、当事、数%の手数料を支払っていた。メタップス プロダクト統括部 SPIKE事業開発チーム部長の荻原充彦氏はその経緯について、「数%の手数料を小規模のEC事業者が支払うのは負担が重い。そういう人たちが手数料を払わなくても成り立つビジネスモデルができないかと考え、“手数料ゼロ”に行き着いたのです」と説明する。
 サービス設計のポイントは「フリーミアム」。基本的な機能は無料で開放し、より高度な機能やカスタマイズなどを有償化するモデルだ。SPIKEの場合、「ビジネスプレミアム」に対する月額費用と、月間で1,000万円を超えた部分の決済手数料、トランザクションフィーが主な収益源になる。
 「中小事業者の方には無料でドンドン使ってもらい、大規模な事業者様からはある程度のフィーをいただく。今はこのモデルがうまく回っています」(荻原氏)
 現状、事業者の数では「フリープラン」が圧倒的に多いという。
 「詳細な数字は非公開ですが、イメージとしては9:1です。ただし、取扱高ではこれが完全に逆。90~95%は『ビジネスプレミアム』が占めています」(荻原氏)
 つまり、数では1割程度の「ビジネスプレミアム」が、メタップスの収益と「フリープラン」の運用を支えている格好になる。

 

決済代行としてハイレベル 「不正検知」機能も装備

メタップス  プロダクト統括部 SPIKE事業開発チーム リーダー/SPIKE コン サルタント  相良哲平氏
メタップス
プロダクト統括部
SPIKE事業開発チーム
リーダー/SPIKEコンサルタント
相良哲平氏

 メタップスでは、2015年2月から、売上金を締日より10日後に入金する「早期支払いサービス」を実施し、入金サイクルを大幅に短縮した。
 「早期の支払いは、ご要望が多かった機能です。加盟店が順調に増え、当社のキャッシュフローも良くなった結果、実現できました」(荻原氏)。
 毎月一定の料金を支払うことで、「チャージバック」(注)があった際、加盟店の売上を保証する「カード不正利用保証サービス」も2015年3月から開始した。この二つは「ビジネスプレミアム」が対象で、「フリープラン」からの移行を含め、中規模以上の事業者の増加を加速するものと期待されている。
 あまりアピールはしていないが、SPIKEの導入サイトは、カードの不正使用を検知する機能で守られている。大手のカード会社はほぼすべて「不正検知システム」を運用しているが、国内の決済代行事業者で導入しているところは数少ない。
 同社はもともと、人工知能を使ったデータ分析を事業の軸としており、ぼう大な取引データから怪しい兆候を察知する「不正検知」は専門領域と近い。こうした蓄積とノウハウもあって、SPIKEを立ち上げる際、不正検知の稼働は前提 にしたという。
 「SPIKEはまず米国でスタートしましたが、向こうでは当社に近いビジネスを展開しているStripe社や、オンライン決済サービスの『PayPal』など、主要な決済事業者が自前で不正検知システムを運用しています。カード取引を不正から守るため、そしてビジネスを日本に閉じないためには、不正検知は必要な備えなのです」(メタップス プロダクト統括部 SPIKE事業開発チーム リーダー/SPIKEコンサルタント 相良哲平氏)

 

「SPIKE」の導入サイト。サイトの任意の場所に決済機能を組み込む「リンクタイプ」。この方式の他にも、既存のEC サイトに「SPIKE」の決済機能を組み込むためのAPIも提供されている。対応カードブランドはVisaとMasterCardでJCBやAMEXも交渉中。
「SPIKE」の導入サイト。サイトの任意の場所に決済機能を組み込む「リンクタイプ」。この方式の
他にも、既存のEC サイトに「SPIKE」の決済機能を組み込むためのAPIも提供されている。対応
カードブランドはVisaとMasterCardでJCBやAMEXも交渉中。

 

長期戦略は“small金融機関” 外貨獲得を至上命題に

 メタップスではこれまで、SPIKEの加盟店獲得のための販促はほとんど行ってこなかったというが、口コミや代表取締役CEOの佐藤航陽氏のネット上での発信力もあって、リリース後わずか8カ月で加盟店数は5万店を突破した。当面の目標として10万店という数字を挙げているが、数にはそれほどこだわりがないという。
 重視しているのは流通総額で、月間10億円、年間で100億円を超える領域に達すると、今とは違う展開も考えられる。
 「SPIKEはオンラインのクレジット決済サービスですが、この形に固定するつもりはありません。例えば、送金や融資のようなビジネス、その他にも、決済の付加サービスは開拓できるはずです」(荻原氏)
 クラウド時代の中小事業者向け“small金融機関”の構築で、これが今後のSPIKEのマネタイズ戦略だ。また、人工知能をベースにしたデータ分析は、不正検知以外にも決済データを解析した上での広告展開の提案などに生きてくる。このビジネスはすでに一部で稼働しており、今後はさらに強化していくという。
 こうした事業展開で重視するのは海外市場だ。同社の拠点はシンガポール、香港、サンフランシスコ、ロンドンなどにあり、この先は特にEU地域の開拓を重視したいという。
 「日本経済やGDPの視点で考えると、SPIKEの実績が20%伸びたとしても、それは他社のシェアを奪っただけで、それほど意味はありません。少し大きな言い方をすれば、外貨獲得を至上命題として事業を推進していきたいと思っているのです」(荻原氏)
 従来の日本のIT企業には、あまり見ることのできなかったこうした視点も同社の特長の一つだろう。国内のカード事業の常識を超えたメタップスの戦略が、海外でも新鮮なビジネスとして育つことを期待したい。

 

(CardWave 2015年3・4月号掲載)

 

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