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電子マネー/プリペイド

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2015.11.18

【特集】台頭するブランドプリペイド~バニラVisa オンライン~(2014年1・2月号)

海外のプリペイドスキームを“輸入”
コンビニ店頭で買える「Visaカード」

 

「バニラVisaオンライン」はSBIカードがインコム・ジャパンを通じて、2013年10月1日から全国のコンビニや家電量販店など、約3万の主要店舗で販売を開始したEC 決済専用のVisaプリペイドカードだ。「バニラVisa」は、プリペイドカードのシステム構築・運用を行うインコム社が世界各国で展開しているブランド名。SBIカード、インコム・ジャパンの2社は、日本でのサービスを「バニラVisaオンライン」と命名し、新しい決済スキームの浸透と販売促進に力を入れている。

 

北米中心に浸透中のサービス 効率的なカード流通の仕組み

 「バニラVisaオンライン」は、ECのVisa加盟店で利用できるネット決済専用のプリペイドカード。紙製のカードを全国のコンビニや家電量販店などの店頭に陳列し、購入したユーザーがカード裏面に記載された「カードID」を専用サイトから登録すると、残高の範囲内で買物ができるようになるというスキームだ。
 こうした形態のサービスでは、「ディストリビューター」と呼ばれる事業者が、運用の一部を担うケースが多い。業務内容としては、まずカードの流通がある。販路を広げたいイシュア(カード発行会社)と、魅力ある商品を求める小売事業者の間を橋渡しして、カードの流通と販売体制を整える。近年、コンビニの店頭などでよくみられる「ギフトカードモール」がその具体的な形だ。
 システム面での主要業務は、カードの有効化(アクティベート)が挙げられる。ギフトカードモールに展示されているプリペイドカードは、そのままだと価値を持たない。カード裏面に印字された「カードID」は、販売店のPOSレジで支払が行われるとデータがサーバに送られ、この時点でバリューが有効になる(※注)。
 インコム社は、プリペイド/ギフトカードのディストリビューターとして、北米を中心に26カ国で事業展開しており、「バニラVisa」は主要プロダクトの1つ。新しい決済ビジネスへの参入を計るSBIカードと、「バニラVisa」の国内展開を目指すインコム・ジャパンのベクトルが合致し、「バニラVisaオンライン」の立ち上げに至った。

 

市場への早期参入を優先 シンプルな設計で収益確保

SBI カード 取締役 業務企画管理部 部長 加藤雅彦氏
SBI カード 取締役
業務企画管理部 部長
加藤雅彦氏

 

 ブランドプリペイドに参入した狙いと、アライアンス成立の経緯について、SBIカード 取締役 業務企画管理部 部長・加藤雅彦氏に聞いた。
 「当社では以前から、クレジット以外の決済ビジネスを検討していました。長期的には自社で構築したいという思いもありますが、すぐに新しいスキームを展開するのは難しい。そこで有望市場への早期参入を優先し、すでに実績と流通経路を持つインコムさんとパートナーシップを組むことにしたのです」
 両社の役割分担は、SBIカードがVisaのライセンシーとしてイシュイング(カード発行業務)、プリペイド式電子マネーの運用に必要な許認可などの業務を担う。
 一方のインコム・ジャパンは、カードの流通と販売網の整備、専用サイトの運営、システム面ではカードの有効化が主なミッションだ。もう一つはカードのデザイン。「バニラ」はインコム社のブランド名・登録商標であるため、今回のカードフェースはインコムが主導して決めている。
 SBIカードとしてのビジネスモデルは、加盟店手数料が軸になる。プリペイドは、クレジットカードと違い、リボルビングやキャッシングに付随する金利収入がなく、もともと収益性は低い。この点について加藤氏は、「今回のスキームでは、インコム様の販売網とインフラを使うため、システム開発や広告宣伝には多くのコストをかけずに参入できました。一部のオペレーションやサイト運営などの経費はかかりますが、できるだけシンプルな設計にしています。1枚1枚で見ていけば、手数料収入だけで十分にまかなえるレベル。枚数を積み上げるだけ収益増加につながる構造に組み上げました」と説明する。

 

多彩な管理機能をアピール 「期限設定」は活性化策

5,000 円、1 万円、2 万円の3 券種が用意されている「バニラVisaオンライン」。裏面のスクラッチを削って16桁の「カードID」を確認し、会員サイトから登録すると、カード番号(「カードID」とは別)、有効期限、セキュリティコードが発行される。主要コンビニ、家電量販店、スーパーなどで扱っており、コンビニの多機能端末では販売していない(2014年1 月現在)
5,000 円、1 万円、2 万円の3 券種が用意されている「バニラVisaオンライン」。裏面のスクラッチを削って16桁の「カードID」を確認し、会員サイトから登録すると、カード番号(「カードID」とは別)、有効期限、セキュリティコードが発行される。主要コンビニ、家電量販店、スーパーなどで扱っており、コンビニの多機能端末では販売していない(2014年1 月現在)

 店頭の「カードモール」などに並ぶ商品は、5,000円、1万円、2万円の3種類。価格には、販売プレミアムとしてそれぞれ290円、490円、890円が加算される。ユーザーは購入後、専用サイトで会員登録し、カード裏面に記載された「カードID」を入力すると、16桁のカード番号、有効期限、セキュリティコードで構成するカード情報が発行される。
 クレジットカードと同様の手続きで決済できるが、保険料のような継続的な支払いや、プリペイドのスキームに未対応のサイトなど、一部で利用制限がかかる点は他のブランドプリペイドと同様だ。
 機能的な特長として、会員サイトでいろいろな操作ができる点が挙げられる。例えば、一つの会員登録で10枚までの「カード」を登録し、それぞれ任意の名前を付けて管理ができる。SBIカード マーケティング課 マネージャー・加太由紀氏は、「ゲーム用、楽曲購入用、お小遣い用など、予算を管理しやすいようにしました。上限が決まっているため、安心して使えると思います」と、設計意図を説明する。
 バリューの合算も可能だ。例えば、2万円を超える買物をする場合、新しく購入したカードを登録する際に、登録済のカードに残るバリューを、新しいカードに移すことができる。カード1枚あたりに設定可能な上限額は10万円まで。
 カードの有効期限は、購入日から2年とした。また、残高がある状態で3カ月間利用しないと、管理事務手数料として210円が残高から引き落とされる。有効期限切れのバリューや管理事務手数料はイシュアの収益となるが、狙いはそれよりも利用促進だ。
 「期限の1カ月前にメールでお知らせします。残ったバリューや手数料が収入になっても、そこで利用が止まってはビジネスとして意味は薄れるので、継続して使ってもらうための措置です」(加太氏)

 

ギフト需要にも期待 新ジャンルの成長性を重視

 サービス開始からほぼ3カ月。いまのところ、枚数ベースでは金額の低い5千円券がもっとも売行きがいいという。
 利用分野やユーザー層の詳細な分析はこれからだが、用途についてはオンラインゲームが多いものと見られている。イシュアとしては、どのジャンルで使われても収益は確保できるが、加太氏は「Visaカードの利点を生かし、いろいろなサイトで使ってほしいですね。当社としても、ブランドプリペイドの利便性をもっとアピールしていきたいと思っています」と付け加える。
 もう少し先の展開としては、ギフト需要も期待できる。加藤氏は「Visaプリペイドの認知度が上がって市場に浸透すれば、ギフトとして非常に価値ある商品になると見ています。最初からギフト指向で行くより、時期を見てプロモーションをかければいい流れができるはず」と期待を示す。
 クレジットカードとの連携については、プリペイドをクレジットへの誘導ツールとして重視するイシュアもあるが、同社の場合、いまのところ別ジャンルと位置付けているようだ。
 「ユーザーはクレジットカードを持っていないか、持っていても安全面の不安からネットでは使わない人が中心。クレジットカードとの連携は可能としても、当社はまずブランドプリペイドという新しいジャンル、利便性が高い決済ツールをアピールし、新しい市場を作っていきたい。これを広げることが、当社のブランディングを高めることにも結びつくと考えています」(加藤氏)
 2011年11月に設立された新進企業、SBIカードにとって、ブランドプリペイドという新しいメソッドを日本に定着させていく作業は、企業の成長とシンクロする重要なプロジェクトと言えそうだ。

 

 

※注)この方式をPOSA(POS Activation)カードと呼び、リアル店舗向けのプリペイド/ギフトカードにも採用されている。POSで有効化するまではカードに価値はなく、盗難や在庫負担のリスクが少ない。POSAはインコム社の登録商標。

 

(CardWave 2014年1・2月号掲載)

 

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