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電子マネー/プリペイド

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2016.01.20

【特集】多様化するプリペイド決済の今~モスフードサービス編~(2015年7・8月号)

ハウス型プリペイドカードを活用し
ブランディングと会員組織の強化に成功

 

「モスバーガー」を全国展開するモスフードサービスでは、2012年4月からハウス型プリペイドカード「モスカード」を運用している。サービス開始後も、複数カードの残高の合算、来店回数や利用金額に応じた会員ステータスの設定など、年々その機能を拡張している。ハウス型プリペイドの成功事例として取り上げられる機会が多いモスカードのスキームと戦略、今後の展開計画について聞いた。

 

 

カードサービスへの期待は顧客との接点の強化

モスフードサービス ブランド戦略室  ダイレクトマーケティンググループ リーダー 齊藤雅久氏
モスフードサービス
ブランド戦略室
ダイレクトマーケティンググループ
リーダー
齊藤雅久氏

 モスカードは、全国のモスバーガーの店舗で繰り返しチャージ(入金)して利用できるプラスチック製のプリペイドカード。年会費や発行手数料は無料で、1回当たり1,000円以上、500円単位で入金できる。2回目からは500円以上、500円単位の入金が可能で、チャージの上限額は3万円までとなっている。
 カードには3,000円以上の入金で1%、毎月25日~29日の「モスカードの日」には1,000円以上を入金すると4%相当の「MOSポイント」が付く(10ポイント=10円)。また、公式サイトからカード番号などの情報を入力して会員登録をすると、会員ステータスのランクアップなどの付加サービスも受けられる(詳細後述)。
 カードを導入した目的について、モスフードサービス ブランド戦略室 ダイレクトマーケティンググループリーダーの齊藤雅久氏は、「モスカードの大きな狙いは、“ブランディング”と“ファン化”です。レジでの決済スピードの向上や小銭要らずといった電子決済の利便性をご提供できる点も大きいのですが、第一はカードでブランドイメージを強化し、お客様との接点をより強固にすることでした」と話す。

 

ASPサービスを採用 稼働後もブラッシュアップ

 同社が採用したプリペイド決済システムは、バリューデザインが提供する「バリューカード ASPサービス」。モスカードには磁気ストライプが搭載されているが、決済のインターフェースとして使われているのは裏面に印刷されたバーコードで、店頭での利用時はこれをバーコードリーダで読み取って処理する。カードの残高やポイントなどのデータは、バリューデザイン側のサーバで一元管理されているが、モスカードの売上情報はモスバーガーのPOSシステムで現金など他の決済情報と連動して処理されている。
 モスカードの導入に際して同社では、約10カ月という長期のテスト期間を設けて動作検証を行った。バリューデザインのシステムの導入先として、全国に1,400カ所近い店舗を構えるモスバーガーは、もっとも規模が大きい事業者の一つ。万が一、カードとPOSの連動に不具合が出るようなことがあれば、売上損失の影響も大きい。バリューデザインとモスフードサービスのシステムを担当する事業者の接続実績がなかったこともあるが、何よりも現場(店頭)のスタッフが迷うことのないようにオペレーションの確認を重ねたという。
 本格稼働の開始後も、バリューデザインのセンターシステムやアプリケーション開発の機能を引き出しながら、サービスを拡張してきた。大規模なバージョンアップとしては、2014年4月に実施したポイントの改良がある。それ以前は、入金した金額に応じてポイントが付き、決済時に優先して使われる方式だったが、カード所有者の意思で使いたいときに使えるようにした。
 「従来のやり方に対しては、“ポイントの存在が分かりづらい”、“貯める楽しみが欲しい”というご意見が多かったため、今の方式に変えました。お客様の声を聞きながら改良していく姿勢は関係強化に不可欠ですから、今後も維持していきます」(齊藤氏)

 

利用に応じてランクアップ バリューの移行にも対応

 モスカードの発行枚数は、2014年12月の時点で140万枚を越えている。
 「当初の計画より、かなり早いペース」(齊藤氏)で伸びており、売上全体に占めるカード決済の比率、1回当たりの平均決済額、カード利用者の来店頻度なども概ね順調に推移しているという。
 「分かりやすい数字としては、決済単価の伸びがあります。当社が年に1回実施しているアンケート調査では、カードの取得以前と以後を比べると、取得後は単価が100円ほど上がっていました」(齊藤氏)
 モスカードでの決済を増やすにはまず入金促進から、ということで始められたのが「モスカードの日」。毎月25日からの5日間、1,000円以上の入金で付与されるMOSポイントが4%になるというものだ。25日からの5日間は多くの企業で給料日に当たるため、手元に現金があるうちにモスカードへのチャージを促すための施策だが、会員の間では“お得な日”としてすっかり定着しており、この期間にチャージした人は翌月以降も来店するパターンができているという。
 こうした流れを加速するため、2015年4月には「モスカードプログラム」を投入した。カード番号などの情報をサイトから登録して「モスカード会員」になると、特典が追加されるプログラムだ。カードを登録した時点で「ブロンズ」、年間の来店回数が3回以上かつ3,000円以上使うと「シルバー」、来店回数が12回以上かつ1万円以上の利用で「ゴールド」にランクアップ。ランクに応じたクーポンなどが用意されている。
 「店舗に年3回でも来ていただければ、と思ってランクを作ったのですが、『ゴールド』の伸びが予想以上。ファミリー層の“ファン化”にも成功したと見ています」(齊藤氏)
 「モスカードプログラム」の一環として、残高とポイントの移行や合算ができるサービスも加えている。季節限定デザインカードなど複数のカードを持つユーザーが1枚に合算したい、あるいは親が子供のカードに残高を移したいといったニーズに応えた。また、モスカード会員(全ランク)の特典として、Web上でクレジットカードからチャージできる機能も提供している(金額の単位は3,000円、5,000円、1万円)

 

モスカードの券面デザイン。貯めた「MOS ポイント」は、商品購入時に10 ポイント単位(10円)で利用できる。チャージ残高の有効期限は最終利用日から3 年、ポイントは1 年に設定。
モスカードの券面デザイン。貯めた「MOS ポイント」は、商品購入時に10 ポイント単位(10円)で
利用できる。チャージ残高の有効期限は最終利用日から3 年、ポイントは1 年に設定。

 

外部サービスとの連携を ギフト需要やCRMも強化
 発行ペースや来店回数などの実績からは、モスカードは“ブランディング”と“ファン化”という当初の目的は達成しつつあるようだ。
 今後の課題として齊藤氏は、まずプロモーションの強化を挙げた。現在は公式サイトでのPRに加えて、店頭用の小規模なPOPなどは用意しているが、コスト面の課題もあって全社的に統一した販促活動は実施できていない。側面からのテコ入れとしては、外部サービスとの連携がある。これまでクレジットカード会社などと提携して、ポイントの引換商品としてモスカードを提供する施策をスポット的に打ってきたが、今後こうした連携は拡げていきたいという。
 もう1つはギフト市場の強化だ。現状のモスカードは自己利用を中心に普及しているが、他人への贈答ニーズを掘り起こせれば有力な市場となる。ただ、ギフト向けはカードデザインやパッケージにも行き届いた商品設計が必要なこともあって、現状は十分なリソースを投入できていない。
 「現状はバリューやポイントの移行機能があるので、それを使って家族や友人に贈ることはできます。まずはこの形をPRしながら、カードのギフト用途も徐々に拡げていくつもりです」(齊藤氏)
 また、CRMの実践もテーマの一つ。モスカード会員は、メールアドレスやニックネーム、誕生月、好きなモス商品などの情報を登録してある。会員情報をカードの利用履歴と掛け合わせ、ワンツーワンのメッセージ配信もできるだろう。
 「CRMはカードを導入した目的の一つです。小さな規模ではすでにやっていますが、本格展開は今年度からの予定で、今は部内でいろいろと方法を練っている段階です」(齊藤氏)
 モスカードは、ハウス型電子マネーとしては、他に類を見ないほど多機能で、作り込んだ商品、サービスと言える。この先、「モスカードプログラム」やCRMなどの推進がどれだけ成果を上げていくか注目したい。

 

 

(CardWave 2015年7・8月号掲載)

 

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